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手紙:2021-07-09

宗教の基本

信仰の条件

皆さんは自分が信仰心を持った人だと思いますか?現在、特定の団体に入っていなくても、驚くほどの人が信仰心を持つようになりました。では、どのような条件が信仰の基準になるのでしょうか?

信仰心の基本は、①神的存在を信じる事、②愛他的である事、この二つです。とてもシンプルなので、自分に問いかけてみれば、簡単にわかる事です。この条件なら、世界各国驚く程多くの人が、自然な信仰心を持っていると言えるでしょう。

神的存在とは何の宗教でも、無宗教であってもかまいません。人類及び地球の進むべき方向を導く偉大な存在を認める意識です。広大な自然や宇宙を眺めると、畏敬の念や大いなる神秘を感じる人は多いでしょう。細胞や多種多様な生命を研究し、創造主である神を認める科学者も少なくありません。形は違っても、人類の多くが何か偉大な存在=神の神秘を感じています。人類は、教えられなくても、自分の力で神的な存在を感じ取る、あるいは知る程、意識が発達したと言えます。

地球は偶発的に変化している訳ではなく、明確な方向を持って進化しています。人間もその中で発生し、進化、成長してきた生命体なので、意識が発達すると、その源を感じる能力を持っているのです。そして歴史的には、必要な時、イエスや釈尊など、地球の意思の代理人となる優れた人が生まれ、進むべき道を示しました。

これからの人類計画の一つに、このような意識に関係する世界宗教と言うテーマがあります。私達はどのように世界宗教を実現するのでしょうか。今回は宗教観について、少し先の未来を、考えてみたいと思います。

愛他的であるべき理由

信仰心の条件で神の存在を信じる事は当然の事でしょう。では愛他的である事は、何故重要なのでしょうか。その理由を紐解いているのは、意外な事に科学の分野です。

日本古来の宗教観は、「万物に神が宿っている」事を教えています。科学は、全ての物質には核が存在すると解明しました。そして核が分解されると、形態が崩壊し、その中から爆発的な力が放出されます。この爆発的な力こそ、神の生命そのものです。全ての形態を活動させているのは、地球生命の分霊です。その象徴が、存在の中心にある核と呼ばれているものなのです。

私達が感性的に全ての存在や人を大切に思うのは、内在する神の尊さを感じているからです。科学が物質の存在を解明しようとするのは、神を知的に理解しようとするからです。どちらの分野にしても、全ての存在と人を愛する事は、見えない神の生命を認める行為なのです。

さて、複雑な原子の組み合わせである人間の核とは「自意識」です。これが個人の全原子に「私」=自意識を刻印し、生きている間、一つの塊として活動させています。この核の意識が、利己的か、愛他的かを決めています。

分離的で個別の自意識は、自分だけの神の生命を守ろうとしている為、自分の中に閉じ込めて制限し、利己的な意識を表現します。反対に、自意識が拡大すると、他の人や全ての存在には、同じように核がある事を発見し、全ての存在は神の分霊であると理解します。自分と同じものを持つなら、当然、自意識は愛他的になるでしょう。つまり、愛他的である事は、自意識の拡大による生命の発見に関係しているのです。

人間の巨大なエネルギー

原子が崩壊する時、巨大なエネルギーが放出されます。つまり、形態が崩壊して死ぬ時、神の生命は解放され、その本質を表します。では、全ての存在、特に人間は、死ななければエネルギーを発揮する事ができないのでしょうか。

人間にとっての死=形の崩壊は、肉体が死ぬ事だけではありません。それは「意識の死=解放」を意味します。自意識が、自分を守ろうと利己的になればなるほど、生命を囲む物質の壁は厚くなり、生命は本来のエネルギーを表す事ができません。それは、自意識が固定観念に囚われている為です。

どんな人も、人生の中で、何かに囚われていた意識が、自分を縛り、必死にさせ、利己的な行動を取った事があるでしょう。何度か悲惨な結果が繰り返され、ようやく原因を追究した時、意識の誤りに気づき、その囚われから自由になった経験もあるでしょう。これは、肉体の死よりも重要な「意識の死」と言えます。正しく理解すると、古い意識が死に、壁が崩壊し、自意識が広く高く解放されるのです。

正しく意識が死ぬ度に、生命はより自由に活動できるようになり、内在している生命の才能や意志が徐々に表出してきます。解放された生命は、自分自身は勿論、周囲の人々や環境そのものに、良い影響を与えます。時には、その影響は、人類全体に及ぶ事もあるでしょう。これが人間の原子力、巨大なエネルギーと言えます。

人間の意識の死は、一回の人生でも、何回もの転生でも、繰り返し起こる事で、世界に多大な影響を与えてきました。これからの世界は、全ての人、全ての存在に、神の分霊=核がある事を理解する事で、世界宗教の土台が築かれていく事でしょう。

地上に太陽を

私達は科学の力によって、地球上を自由に移動し、あらゆる世界と人に興味を持つようになりました。情報を共有し、苦難があれば互いに助け合う何らかの方法を見つけて、実行もしてきました。それは多くの人が平和と愛を求め、命の共有を強く感じているからなのです。人類の自意識は、急速に拡大し、壁を壊して繫がり始めています。これは、生命の基本性質、愛の表出です。

もし私達がたった二つの条件、偉大な存在=神を認め、愛他的になれば、これからの世界は、更に素晴らしい発展を遂げるでしょう。存在はバラバラでも、お互い愛で繋がった意識が集結し、意識の世界では、地上の太陽のように、世界を照らしつつあります。これこそが世界宗教の象徴です。多くの人の意識に、宗派や民族、国を越えて、生命の分かち合いが理解され、その意識は、誰も取り去る事ができない真の信仰心となるのです。

この地上の太陽を確たるものとする為には、一人でも多くの勇気と行動が必要です。私達はあらゆる場面で、分離的な人格の壁を発見し、それを突破する努力をしなければなりません。それは、自分の中にあるもので、外にあるものではありません。「貧(とぼ)しき意志」を奮い立たせ、意識を解放するたゆまぬ訓練が必要です。

更に、分離を越えた意識は、太陽が核融合を起こすように、巨大な力を生み出します。核融合の力は半永久的で、一度連鎖が始まると、誰も止める事はできません。太陽が光を与え、生命を育てるように、人間の自意識の拡大は、見えない世界に燦然と輝き、全ての生命を、正しい活動へと駆り立てるでしょう。これを生命への愛と言います。その素晴らしい変化は、私達一人一人の意識の拡大から起こるのです。

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