手紙

MENU
SIGN

Letters
手 紙

手紙:2022-06-17

言葉と健康

言葉が自分を創る

皆さんは今日、どんな事をどの位話しましたか?あるいは、どんな思いや考えを持って、何を表現したでしょうか?言葉は喉から発せられますが、喉は、天を示す頭と、活動を示す胴体を繋ぐ間の位置です。喉はまさに魂と物質界を繋ぐ位置にあり、そこから発せられる言葉とは、様々なものを生み出す創造の力があります。

春のウエサク祭で地球から分配されたエネルギーは、人類の喉が表現する言葉や活動によって、実際的な形になります。言葉は、形態を創造する力があるからです。私達は何気なく言葉を話していますが、実は言葉の表現によって、大きな責任と結果を背負います。何故なら、自分の思いや考えを表現する言葉は、個人と環境に大きな影響を与え、いわゆる善・悪のカルマを積み重ねる典型的な行為だからです。

今、地球はかつてない騒音に包まれています。人類の活動が活発になったので、自然界の生命活動の音(振動)だけでなく、人間の作り出す音が、地球空間に溢れかえっている状態です。それは人類全体の進化の証かもしれません。しかしその音は、周囲のみならず、実は自分の健康にも大きな影響を与えています。現在の健康は、過去に発した言葉が積み重なって作られたものと言っても過言ではありません。

「神は世界を音で創造した」と言われるように、個人の場合も、毎日発した言葉はその人を創造し続けています。今回は、自分や環境、そして世界を創る言葉について、その影響を考えてみたいと思います。

「人は考えた通りのものになる」とは、その人の想念と発した言葉が、運命、環境、健康を創っていくと言う真理を表しています。それが集団となって、世界の環境や運命に影響を与えているのです。

「言葉」は人類の特性で、有形、無形のあらゆるものを創造する武器でもあります。言葉をいかに使うかによって、人生の方向や健康状態が決まってくるのです。普段発している言葉は、主に四つの種類に分けられます。

  • ①反射的、本能的、感情的な言葉
  • ②欲望と知性が混じった言葉
  • ③知的で論理的な言葉
  • ④理性的で愛ある魂エネルギーを表現する言葉

③は自分を支配し、考えた事を話す時の言葉なので、知的な会話ができ、何をしゃべったか、道筋を辿る事が可能です。しかし、通常の会話は、殆どが①と②の本能や欲望に突き動かされたもので、動機は個人的な感情や欲望です。それに僅かな知性が後付けされて、突き上がってくる思いを話す場合が多いでしょう。その時、本人には意味があるように感じますが、論理的に考えると殆ど内容が無く、無秩序な思いや刹那的な感覚の羅列があるだけです。

そうであっても、この振動は自分自身を作り、肉体に浸透し、発した本人の周囲に留まります。現在では、失言によって地位を失ったり、裁判で訴えられたりして、気を付ける人は増えていますが、もう一歩進んで、言葉の制御は霊的な重要性を理解すると、人生は大きく変わってくるでしょう。今現在の自分の状況や健康状態、運命が向かっている先は、過去の自分が発した想念と言葉によって創られたと言う現実を、私達は受け入れる事ができるでしょうか。

老化と意識活動

④の魂に基づいた言葉こそが、本来人間の使命です。魂のアイディア、理性を表現する為に、誰もがこの世に生まれてきたのです。ところがこのような言葉は、今の段階では稀にしか発せられません。魂は人に命を与える最大のエネルギー源ですが、その人が魂の愛を表現する言葉を発しなければ、エネルギーは伝達されず、首から下に流れる事がありません。

欲望が盛んな若い頃は、肉体力と欲望が活発な輝きを発します。様々な欲望の夢や目的に満ちているので、躍動感があり、肉体的生命力(本能)に突き動かされ、外部に向かって放射が起こっています。欲望と生活が無謀で無秩序であっても、肉体が若いので健康は保たれるでしょう。

しかし年を取ると、体の生命力や個人的な欲望が衰えてきて、その活発さは次第に無くなってきます。長年積み重ねてきた言葉により、その影響が結果として出始めます。肉体が病気になったり、不自由な環境に縛られ、それ以上欲望を持ち続ける事ができない状態になる事も多くなります。

一方、年を取って欲望が失せてくると、喉に突き上げてくる感情、感覚が弱くなり、喉を使うエネルギーが少なくなります。そうなると甲状腺が衰え、力が枯渇し、不活発になります。長年、魂からのエネルギーが使われていない場合は、生命力が枯渇し、急激な老化が起こってくるのです。

言葉を制する事は、進化の重要なテーマです。どの宗教にも言葉に関する修行があります。そう簡単には達成できませんが、発言の結果は、ある年齢以上になった時、自分とその環境に、そのまま表現されている事が多いものです。

エネルギー源を変える

若い頃の人格の成長には、自己主張し、才能を表現する訓練が必要です。この段階の言葉の表現は、個人的な欲望に満ち、利己的なものになるでしょう。これは成長過程で必要ではありますが、人間が本来の使命を果たす為の前段階にすぎません。

魂の理念を表現するのが、言葉を操る人間の使命です。その為に準備として、昔から宗教や道徳で言われるように、体、心、頭を浄化して、支配する訓練が必要です。感情を制御し、人の役に立つ意義ある言葉を選ぶ為には、相当考え、経験を積まなければいけません。自分や人を傷つける破壊的な言葉は、極力避ける事が基本となるでしょう。今は形骸化してしまった道徳や宗教的な教えは、悪カルマを積まない方法です。昔は意味が理解できなかったので、ただ守るよう教えられましたが、今は個人が理解して自分の意志で実行する時代になりました。霊体を浄化するには、魔法や人に頼る方法はなく、日々努力し、長年粘り強く意識と言葉をコントロールするしか道は無いのです。

心と知性の純度が高くなり、穏やかになれば、魂のエネルギーを受け易くなります。更に、知性が魂を求めれば、活力源を魂の力に切り替える時がやってきます。そうなった時、私達の言葉と表現は、周囲の人々を勇気付け、光の方向に意識を導く為に使われるものとなるでしょう。

そして、その力は自分自身を癒し、周囲にも良い影響を与えます。健康や老化の状態は、自然な肉体を超えた状態になり、年をとっても魂の無限の力、癒しの効果が続くでしょう。病気や問題で苦しんでも、そこから学び、自分を制御する方向に進めば、年齢は関係なく魂が応援するでしょう。

自分の考えを差し控える

魂として生きる鍵に「自分の考えを差し控える」と言うものがあります。これは自分の考えがない為、受動的で消極的になる態度とは違います。明確に自分の考えがあるからこそ、次の段階に行こうとするなら、個人的な考えで断定し、頑固に主張する事を控えなさいと諭しているのです。今考えている事より、もっと高く広い視野や理念があるのではないか、これが真の謙虚な態度です。

私達は、浮かんだ思いや考えを、余りにもすぐに言葉にし過ぎています。しゃべる前に、これは言葉にすべきなのか、どう表現すべきかを考える「間」が無いのです。人生の中で、真の主人である魂を忘れて話している時間が、余りに長いと言えるのではないでしょうか。

もし今、健康やこの先の人生に不安があったり、意欲や喜びが少なくなり、エネルギーが枯渇したと感じたら、素直に自分の魂に向かうチャンスとしてみてはどうでしょうか。どこに向かったら良いのか、見当もつかない人の為に、「とかと言う言葉」があります。真剣に求め、向かい合えば、魂は応答してくれるはずです。何故なら、魂の使命は、救済だからです。そして何が原因か理解させ、方向を与えてくれます。素直さと謙虚さがあれば、私達は自分の意志でその生き方を実践するでしょう。それが人格と魂の正しい関係です。

昔、宗教で教え込まれた言葉の制御は、今、個人の理解力が発達し、法則的に重要な事だと理解する人が増えるでしょう。この一年、言葉の美を心がける事が、自分や周囲に、そして地球に、どんな影響を与えるか、一人でも多くの同志が、賛同し、実践してくれる事を願います。

TOP
CLOSE
CLOSE