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手紙:2020-03-13

浄化と流れ

抵抗は反応を強める

皆さんは病気になった時、「絶対治してやる」「闘って勝ってやる」と決意し取り組んで余計に悪化した事はありませんか?あるいは、言えば言う程、悪い方向に進んだとか、強烈に嫌だと思って抵抗したら、事態が悪化した事はありませんか?諦めて放っておいたら、かえってその方が軽く済んだと言う経験もあるでしょう。これは偶然そうなったのでしょうか?それとも何か法則があって、そうなったのでしょうか?
一般的に、物事や現象に対する「激烈な反応」は、事態を悪化させます。人間の心や思考をエネルギーとして捉えると、「嫌なものに対する抵抗」とは、誤った心力の使い方となり、望みとは逆の結果を招いてしまいます。反対に、余り気にせず受け流していたら、知らない間に問題が無くなる事はあるものです。意識はエネルギーです。何に焦点を当てるかにより、強化されるものが違います。今回はエネルギーの流れを塞き止めてしまう意識の使い方を学び、進化に役立てたいと思います。
「固い決意」とか「絶対に抵抗して打ち勝つ」「石にかじりついても」と言う意識は、心のエネルギーを強化します。このような意識活動は、以前心の発達を目指した時に重要なものでした。その結果、現代人は発達した心を持っていますが、反対に発達し過ぎて、心が病気や苦痛を生み出す大きな原因にもなっています。心の集中が、スムーズな気の流れを妨害するからです。
病気や事故、問題とは様々な原因がありますが、多くは行き場のない思いが溜まり、それが暴発して起こります。「ストレスが溜まる」と言う表現は、その蓄積状態を表しています。そこに決意や断固とした抵抗と言う強い心力を加えるとどうなるでしょうか。その心の力が、同質の原因となっている力を強めてしまいます。私達は意識の使い方を知らないで、願いとは反対に、苦痛を増大させている事が多いのです。

スムーズな循環を心掛ける

健康とは、必要なエネルギーだけを取り入れ、取り入れられないものは排出する流れの中にあります。自分に消化できる種類と量のエネルギーを確保して、残りは流してしまえば、スムーズな気の流れが保たれ、健康が得られるのです。
では、過剰に留まったエネルギーが存在している事は、どのようにわかるのでしょうか。先ほど挙げたように、嫌な思いにとらわれて、嫌悪、心配、怒り、恐れ、イライラの募りなど、意識がそこから離れない、長期的に変わらない思いを持ち続けていたら、それは処理できない想念のエネルギーが溜まっている証拠です。このような時には、問題を解決しようとするより、思いを流す事を考え、自然な循環を取り戻す事が先決です。
ところが現代に生きる私達は、その循環をせき止める様々なストレスにさらされています。意識が発達した為、今まで感じなかった刺激に反応し、人間関係も複雑で、自分とは異質な思いや考え方を理解しなければならない環境に生きています。

また地球自身も、以前より遥かに強い新しいエネルギーを取り入れています。これらをうまく捕らえて消化できると、発明、発見、正しい理解などの直観力となりますが、誰もが最初から上手く反応して処理できるわけではありません。多くの場合混乱と誤解が生まれます。馴染みのないエネルギーに接する為、嫌悪やイライラ、恐怖や不快な感覚を呼び起こし、これを排除しようとして抵抗するでしょう。抵抗は心の力なので、望んでいない方を強化して、問題が悪化するというメカニズムです。
敏感な諸体を持った現代人には「流す意識活動」が大事です。欲張って必要以上のエネルギーを取り込みすぎたり、善悪を強く断定すると、その部位に過剰反応を呼び起こし、苦痛が生まれます。何故か?と知的に考える事ができれば、意識焦点は感情を離れて、メンタル体に移行します。しかし、中々純粋に考える事ができないので、理由がどんなものであれ、思いの蓄積は、一旦流してしまう方が良いでしょう。
一日の終わりに、イライラする、怒りが収まらない、圧迫されるようなイメージや感覚があるなら、その事について考えるのではなく、意識を離して別のイメージに移行しましょう。水のように流し、スムーズな気の流れをイメージする「水想観」は、この原理を説いています。水が透明で滞る事なくスムーズに流れている状態になって、ようやく正常な思考ができ、物事が明確に見えてくるでしょう。

善を育てる

反対運動や抵抗運動は、暴動に発展する可能性があり、政府や警察が警戒します。意見を表明する事は重要ですが、問題解決の方法には、別の道もあります。それが「平衡の法則」の活用です。大嫌いな事や許しがたい事と闘って、相手を破壊する方法ではなく、『善を育てる』のです。これが以前説明した悪のエネルギーを中和し調整するカルマの相殺方法です。国々の交流でも、対立し相手を打ち負かす方法は古い方法です。双方にとってメリットのある事柄を増やし、良い繋がりを強化する方針に変えていくのです。
これを個人に応用すると、ネガティブな部分を大きくして破壊するより、善なる思いや行動に意識を集中させて活動すると、善が悪を相殺する可能性があります。抵抗と破壊は自分の一部も壊すので、ダメージを負う事になり、修復に時間がかかります。善なる事に集中すれば、善エネルギーが増え、反対に悪の部分はエネルギーが枯渇して、やがて知らない間に死滅します。忘れていた頃には、善が育って大きくなり、悪は形を保てなくなる結果、流れて無くなっているでしょう。
では何が善で悪なのか?正しい識別は至難の業ですが、この区別は私達の正義感や常識から判断するのではなく、軽さ、透明度、速さを感じとって判断すると参考になります。光をイメージすると、この特性がわかり易いでしょう。反対に悪とは、不純物を多く含む為に重たく暗い振動で、色は濁り、速度が遅く感じられるもの、動きを引きとめ、留めさせようとするものと言えるでしょう。

善を正確に感じとれる優れた感性を育てる為に、私達は善や進化について常に考え、理解できるよう求める必要があります。すると、善に対する感性が発達し、諸体が良いものに対し、反応し易くなるでしょう。
現代と言う複雑で過敏な時代を生き抜く為に、私達は激烈な感情表現や、強烈な抵抗など、極端で激しい意識活動を避ける知恵が必要です。穏やかな知性、平らかで安定した感情は、難しい時代を切り抜け、進化の道を開く大きな鍵です。自分では、知的で感情が穏やかだと思っていても、実はそうでない可能性があります。自分をよく知っている人達に、意見を聞いて自分を顧みるチャンスを得るのも良いでしょう。
善を育てる為には、自分の思いや判断に重きを置くより、もっと大きなエネルギーの流れを意識する事が重要です。私達の意識と行動が、地球の求める進化の流れと合流すれば、地上には霊的な善の花が咲き始めるでしょう。勝手な欲望で流れを塞き止め、知らない間に悪を育ててしまうより、地球の意思に沿って、共に愛の花を咲かせる者になろうではありませんか。美しい花は、平凡な日常生活の意識を、日々浄化する中で、清らかに咲くものです。それは、時代と人類にとって、良いエネルギーを運び、循環させる人類の宝となるでしょう。

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