蟹座
満月の夜、珊瑚や海亀が一斉に産卵し、無数の蟹が大移動を始めます。この光景は、形ある命を生み育む蟹座の特性を美しく表しています。
人間の魂も蟹座の助けを借りて、地上に生まれて来ます。人は全員、互いの命に奉仕する為に、勇気を奮ってこの世に生まれてきた魂(理知的意識)なのです。そんな私達を母親のように保護し、成長を助け、使命が果たせるよう援助するのが蟹座の役目です。その為、蟹座は海のような母性の星座と呼ばれています。
蟹座の人は、最初は怖がりかもしれません。感覚的で想像力が豊かですが、新しい体験や環境を恐れると、心配が先立ち、消極的になりがちです。安心して暮らせる生活の土台、家族、住む家、食べ物、金、群集的仲間を本能的に求め、自分を守ろうとするからです。そこで知性が自立して自信が持てるように、経験を積極的に求める事が大切です。蟹座はその人が安心して挑戦できるよう、人の縁を結んだり、情報や援助を与えて保護し、安心と生きる自信を持たせます。その成長には「習い事と学校教育」が必要です。「どこに行っても私は大丈夫」と言う自信をつける為に、色々な習い事や学校の勉強にあれこれ取り組んで、時には海外留学などもして、経験を積む人が多いでしょう。
アッセンダントが蟹座の人は、とりわけ学校や社会に対して、積極的な精神を持つ事が大事です。その為に知識や技能を学習し、各々の場で求められる事に、着実な対処ができるよう注意を払う事が大事です。感覚的でいい加減、中途半端で我流なやり方や、誰かにやってもらおうとする依頼心から卒業しなければいけません。周囲の状況を知的に理解し、正確な対処を積み上げる努力がテーマとなります。この持続で次第に自信がつき、新しい事が次々とできるようになる事が楽しくなると、成長して、反対に人の面倒を見る母の位置に立つようになります。
更に進んだ段階では、母の保護意識が、世界の人々や自然界を物質的に援助し、「必要を満たす魔術的磁力」に発展します。人が安全に生活する為のライフライン、食料、医療や教育など、不足しているもの、困っている人、救える命、このような救援に対応する力を発揮します。人だけでなく、自然や環境を守り、動物を慈しみ保護する活動などに、心血を注いでいる人も少なくありません。
その原動力は、地球は一つの家族、「命に対する信仰心」と、集団に溶け込む独特の適応力です。家族から始まって、友人関係、職場の人々、地域や世界まで、蟹座は集団の人々が居心地の良い環境を実現する為に、母のような安心する雰囲気と、養育する実利的行動を取る事ができるのです。規模はどうであれ、このような精神を持つ人は、魂的蟹座の意識がある証拠です。
蟹座の人は、企業や組織など目的を持った集団に入って仕事をする事に向いています。目上の人から可愛がられ、批判を言っても余り反感を買わず、上手に集団適応できる特質は組織にぴったりです。経験を蓄積し、やがて野心が芽生えて社会的に頭角を表すでしょう。またNPOや国際的機関、子供の保護などに携わる人も多いでしょう。蟹座の慈愛は、心情的なものではなく、寧ろ実利において集団のニーズに応えるものです。仲間の魂が安心して使命を果たせる世界、自然界が生き生きと進化を遂げる世界、その実現の為にゆっくりと、しかし確実に働き続けるのが蟹座の愛の力なのです。