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時代と星座
時代と星座 | 2016-04-11
魚座
魚座はあらゆる存在の感覚を刺激し、特に人類には神や理想、夢を描く能力を与えました。人が夢を描いて懸命に働いたり、慈悲深く自然界の進化を助け、犠牲を払ってでも困った人を救済するのは、魚座の魂意識の表れです。
現在、私達が魚座から学ぶべき事は、理性的な奉仕と救済の意味を理解する事です。実は真の奉仕には、「死と破壊の要素」があります。「奉仕、救済」と聞くと、同情や正義感から、困った人を助ける事と考えます。どうしたら助けられるか?普通、困った状況を取り除いたり、やめたり、不足を補ったりして救い出そうとします。しかし、何故私達は困るのでしょうか?大抵嫌な事や困った事が起こると、その状況を変えようとするか、取り払おうとします。それで解決する単純な問題もありますが、魚座が扱うテーマは物質的なものや状況ではなく、「意識」です。人が困った状態に陥るのは、意識がその事に没頭したり、捕らわれる事が根本原因です。
魚座は意識の引力が強く働くので、捕らわれ易く、没頭や中毒状態の感覚を人に経験させる星座です。なぜそんな事をするのでしょうか?人は本当に困ると、そこから脱出しようと初めて考え始めます。そして苦痛を感じているのは、感覚だと発見する、つまり苦闘と通じて、感覚から脱出して、理性の光が誕生するからです。
さて、同じ経験をしても、ある人は悩みもしないのに、ある人は非常に困って陰鬱になります。これは状況が問題ではなく、対処する人の意識の違いが原因です。物事に密着して離れない意識をそこから離さない限り、その人はどこに行っても、形は違っても同じような問題に出会い、束縛され困窮状態となります。これは本来自由な魂の意識が、物質の引力に取り込まれ、離れられなくなっている現象です。
そこで、「密着して縛られている意識と、物質の引力=帯を破壊して、解放する」、これが根本的な破壊、死と言う意味です。魚座のマークは真ん中に水平状の線がありますが、これは意識の帯と呼ばれています。この帯を切る事が、密着している意識を破壊し、真の解放に繋がります。
真の奉仕とは、どの次元で、意識が何に囚われているかを理性的に解明し、根本的に解放する手助けをする事です。では、どうしたら破壊すべき意識を発見できるでしょうか。そこに魚座の真のテーマ「正しい識別」が必要になります。まずは自分、あるいはその人が、何故困っているか、何に束縛を受けているのか、何を感じているのかを、明確にする事です。これが識別の第一歩です。漠然とした感覚を、説明できる知的な論理に変換し、正しく認識する事です。
さて、この訓練を続け、自立した識別力を達成した人は、自分の夢や目的が明確で、粘り強く、一生懸命物事をやり遂げる人になります。理想があり、明確な自我を持つ強い人、しかも周囲の面倒を良く見る人となるでしょう。ここまで来ると、この世的には、かなり優秀で一目置かれる人となります。
ところが魚座には、まだ次があります。個人の夢や理想から更に放たれて、人類としての理想に気付く事です。何故なら、個人的な希望や夢がどんなに素晴らしくても、それも魂から見たら囚われの一種です。道の先には多くの人を助ける魂的な理想と言う、もっと大きなものが続いているからです。ここに「直観の光=真の理性」が現れます。人類全体、命全体と言う大きな視野が魂意識の焦点であり、直観力の命題です。
私達人間の意識は、個人を越え、物質の引力に監禁されなければ、素晴らしい力を持っています。人類は全て魚座の影響を繰り返し受け、何回もの転生の末、生まれるのはたった一つ、輝く理性です。感覚の海から脱出する魚の神=個我を越えた理性は、苦闘し、経験を積んだだけ、より強い光を放つでしょう。私達を監禁しているものとは何でしょうか?苦しみがあるからこそ、私達の意識は解放され、より自由になれるのです。真の救済には、苦しみの原因を知る理知性が必要です。魚座は人類意識に解放の鍵を与えているのです。