Planet and Ray
惑星と光線
惑星と光線 | 2023-01-27
海王星と感性の発達
海王星は英語でネプチューン、海を治める王です。生物を生み出し、荒れ狂う海を支配する主ですが、時には怒って嵐を起こし、船を沈める事もあります。海王星は、私達人間とどんな関係にあるのでしょうか。
アルコール中毒で大変な失敗をした有名人は多いものです。酒、薬など、中毒になると人は自分を支配できなくなり変わってしまいます。事件を起こし破滅しても、やめる事さえ難しいものです。それは特別な感覚が脳を支配するからです。低い次元ですが、このような特殊な感覚に影響を与えるのが海王星です。
本来海王星は、本能や欲望、感覚を広く高く発達させ、魂の光を目指して上昇するよう働きかけます。ところが、海王星の象徴である海の神ネプチューンも、自分が創造した馬に夢中になってしまうように、海王星は接触したものへの感覚に没頭し、夢中にさせる性質があります。本来、私達は海王星を通じて、欲望や感覚を犠牲にし、魂に夢中になるのが本筋です。ところが魂以外のものに心を奪われると、対象は何であれ、幻影の世界に引き込まれてしまいます。海王星は感性を刺激し夢を見させるので、本人にはそれが嘘だと思えず、やめる事が難しくなるのです。
芸術家が作品作りに行き詰ると、違法な薬物に手を出し、普通では味わえない世界を知って、新しい作品を創ろうとする人がいます。深海まで潜れば、誰も見た事が無い奇妙な世界があるかもしれません。しかし目新しくユニークで素晴らしいと感じても、所詮それは海の中です。魂を象徴する太陽の光の世界ではありません。私達は感覚と欲望を犠牲にし、海から脱出すべきですが、一旦船が沈んで海に落ちると、上がどこか、どれが本当の光か区別がつかなくなり、浮上するのは容易ではありません。
感覚が海の中で迷子になると、その人しかわからない独自の世界をさまよう事になります。中毒症状、幻覚症状などの感覚異常、体力の衰退、絶望感などから、孤独や社会不適合を起こしかねません。この時代、感覚的に敏感な人が多く、全ての人が何らかのセンスを持ち、個性的な表現をする事が可能です。だからこそ、ありきたりですが、常識と節度を大切にし、論理的に考える知性とのバランスを取る事が大事です。海の中の魅惑的な幻影から身を守らなければならないからです。
海王星は、本来「救済」が特質です。体、心、知性の三つを全て魂の方向に向けさせる後押しをします。その正しい影響を受けるには、突飛で独自の感覚を求めるのではなく、海王星と同じ愛の方向を目指す事が重要です。客観的な知性、光を求める美しい心、そして多くの人を勇気づけ、生きる気力を鼓舞する意識こそ、海王星の援助を受ける鍵となるでしょう。