Appearance the soul
魂の表れ
2016-02-28
美を感じる
①美と黄金率
美しくなりたい、理想のプロポーションになりたい。多くの人が自分に対して夢見る事です。大多数の人が美形だと感じる顔やスタイルには、パーツの大きさや配置が、宇宙法則に従った黄金率のバランスに近くなっています。私達は顔立ちだけでなく、自然界、芸術、数式、心や洗練された知性、あらゆるものに対して、美を感じます。しかし、美とは一体何でしょうか?「美」は魂の思想やアイディア、あるいは宇宙の法則が、バランスをとって形になった時、感じられるものです。つまり美意識は、まだまだ正確ではないものの、魂の投影の一つです。
人が美を感じるようになった歴史は、遥か古代に立ち戻り、相当な苦難がありました。類人猿のような人格に、最初に教えられた美は、自然界を見て美しさを感じる力、自然界の背後に何か偉大なものを感じる感性でした。その為、優れた魂が大きな犠牲を伴って地上に降り立ち、洞窟や石に絵を描く事や、宗教的儀式を教えたりしながら、魂的感性に「感応」できるよう長い間感化する訓練をしたのです。人が広大な自然の姿に感動し、畏敬の念を感じるのは、とても根源的なもので、原点に立ち返るように感じるのはこの為です。そして芸術を愛する事は、人間の証です。
②理想と美
魂には、理想の思想やアイディア、法則があります。これに触れると、人は美を感じ、感動します。感動とは魂の光が人格に降り注ぐ瞬間です。美に触れると、心や知性が洗われ、明るく軽くなり、そして未来に向かって前進したり、改めたりするきっかけになります。
人間の美意識は、単に形のバランスを感じるだけでなく、心や考え方などの精神的なものから、数式や法則、現象に至るまで、様々な次元で感じられ、探求は尽きる事がありません。それだけ人類の意識は、美を高い次元で捉えられるようになってきたのです。容姿などの形の美よりも、心や考え方の美を重んじたり、金品などの魅力より、精神的な豊かさや、世界のあるべき姿、地球や宇宙の神秘にまで、美の次元はどんどん高まっています。
③正確に美を捉えるには?
しかし、私達の美の概念は、まだまだ物質的で感情的なものが多く、魂とは完全にバランスが取れていないので、不正確で個人的なものに留まっています。では魂の美は、どのような条件で正確になるのでしょうか?
一つは人格の欲望を少なくする事です。人格は魂を映し出す映画のスクリーンに例えられます。個人的な欲望は、スクリーンを重たくして歪ませ、波立たせたり、汚れや歪みの原因になります。
二つ目は、体と心と頭を一つに統一する事です。これらがバラバラに働いていると、体と心と知性が一枚の布になっておらず、ずれて重なった三枚のスクリーンが、勝手な夢や美を描くようになります。
三つ目は、スクリーンの方向を魂に向ける事です。スクリーンは方向によって、映し出す映像が違います。方向は意識で決まるので、人は自分の価値観にスクリーンを向けて、様々な夢を見ているのです。
それでも私達は驚く程進化し、美に大変鋭敏になっています。やがて魂の美は、表現が違っても、その元は一つである事が理解できるでしょう。発達してきた今だからこそ、人類を統一する共通の美が必要です。人類の感じる美は、益々バランスが取れ、文化と自然界はもっともっと美しいものになっていくでしょう。