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手紙:2021-01-16

人類と太陽

光は万人を照らす

新年を迎えるにあたり、初日の出を見る人は多いと思います。地球の生命は、人間をはじめ、光を求め、光の方向を向いて生きようとする本能があります。当たり前のように存在する太陽ですが、太陽について考えてみると、生物学的に必要と言う意味だけでなく、古代から信仰の対象になってきたように、精神的に多くの思考が得られ、学ぶべき事が沢山あります。

例えば、太陽は光の届く全ての存在を照らし、影響を与えています。地球のみならず、太陽系全体に引力を届かせ、光を運んでいるのです。私達が認識できるものを遥かに超えた範囲に影響を与え続けている太陽。そのような存在なので、「太陽は私のもの」と言う人がいたら、誰も信じないし、そんな論理は馬鹿らしいと思うでしょう。光は、誰か特定の人だけを照らすものではありません。例え気づかなくても、接するもの全て、その周辺全体を照らし、エネルギーを届ける性質があるのです。

人は太陽のような存在に憧れ、そのように生きたいと願うものです。それならば、ある特定の人と繋がるだけでなく、周囲の人々とその周辺全てに光を与えようとする姿勢が大切です。これは、現在、奉仕の領域が、個人ではなく、集団やグループに移行している事を表しています。新時代は個人の発達を土台とし、グループが進化の鍵となっています。その為、私達の活躍範囲は、社会や組織、グループ単位になっています。今回は、グループを通じた進化の方向性を考えていきたいと思います。

グループ目的の理解

皆さんは、家族以外、何らかの集団に属しているでしょうか?以前の時代は、個人が夢や理想を持つ事が進化目的の一つだったので、個人の進化が重要視されました。献身や奉仕も、特定の人に向けられ、その意向に沿って協力するよう求められました。その為、突出したヒーローや英雄のような存在が際立ったのです。この取り組みで、過去には多数の優れた人物が生まれ、個人的進化の「道が切り開かれた」のです。その道を通って、今や多くの人が、個人的に発達し、自分の目的や才能開花に興味を持ち、情熱や知性を使って、人生を切り開くようになりました。

そこで人類の目的は、次の段階に進む準備ができ、現在は「グループ的進化」を目指すように変化したのです。これが新時代の始まりです。目的が明確で、三人以上の人が活動を共にする存在はグループと呼べるでしょう。家族は、子育てや教育などを目的とする身近な集団ですが、子供が独立すると、一つの使命を終えます。新たな目的を設定しないと、存在意義が薄れてしまいます。その為、子育てが一段落すると、多くの人が社会に目を向け、仕事や所属する新たなグループを探すようになってきたのです。

しかし、グループに入っただけで、意識が進化する訳ではありません。その集団の一員となる為には、グループの目的を積極的に理解し、協力できるようになる必要があるからです。組織に入っても、動機は個人的な都合やメリットが多く、場を利用して個人の目的を果たしている割合は大きいでしょう。グループ活動は、私達にとって、新しいチャレンジで、実は簡単ではありません。グループ活動を通じて、何が進化するのかを理解すると良いでしょう。

有機体の生命

グループの活動は、個人を捨てると言う意味ではありません。個人の生活は土台で、無くなる訳ではありませんが、多くの人と活動する時、自分にとって最善を尽くすように、喜んで参加する意識の積極性が重要です。例えば会社で働いていても、家族を養う給料を得ると言う動機が大きく、嫌々ながら、あるいは会社全体の方向や目的には興味が薄いまま働いている人は多いでしょう。また、趣味や習い事でも、場を借りて入るだけであり、家にいる自分と変わりなく振る舞い、周囲に無関心のまま終わる人もいます。この状態は、グループの影響で意識を変える気が無い為、新しい学びが起こりません。

組織や集団は、魂から見たら、それ自身が重要と言うよりも、人が個人的な目的を超えて、集団目的を理解し、大きな目的の為に、喜んで協力する訓練の場として重要なのです。私達は個人の目的を越え、その中で真に協力する考え方や、犠牲の払い方、価値の変化、能力の開発の仕方を学ぶ必要があります。そして、一つの目的に協力する人々が整えば、その繋がりは「有機体」となり、人は個人的生命に加え、新たなグループ生命を生きるようになります。これがグループ進化です。活動する時、グループの有機体に参加しているか、分離した部分のまま留まっているか、この違いが重要です。このような意識活動が、時代の求める知的な愛の土台となるのです。

垂直と水平の愛

現在、世の中には無数のグループが存在しています。実際顔を合わせなくても、ネット上で繋がるグループもあります。その目的や方向性は様々なので、集団と関わる時には、目的や性質を良く吟味して選択する必要があります。魂の方向を考えるのであれば、利益を追求する会社であっても、目的が社会に貢献するもの、人々の生活や命を助ける要素がある、善意や奉仕の思想が含まれているなどの要素が重要です。

更に、そのグループ全体が協力体制になっているか、人間関係の繋がりを観察する必要があります。それぞれの人が、自主的に協力し、互いを尊重している組織では、人間関係が良好で、全体が一つの有機体となっています。個人は全体の影響を受け、全体は個人の力に支えられています。

有機的集団は、一人のカリスマが、他の人のマインドを支配して、恐怖や強制で従わせたり、騙したりするものとは違います。個々は個性を持ち、自分の考え方を維持しながら、自主的な判断と個人能力を捧げて協力するのです。つまり、個性は生かされたまま、グループの価値に同調して活動すると言うものです。それは、一つの生命になっている為、新しい力を得て発展します。会社でも、人間関係が良い所は、業績が伸びる事が知られています。繋がりは、命令や恐怖ではなく、心の美徳を土台にし、知的な愛であるべきなのです。グループの目的は、魂に対する垂直的な愛、そして仲間との繋がりは、水平的な愛と言えるでしょう。

この働きは、私達が個性を完成しながら、より大きな集団である魂に向かう進化に似ています。積極的に魂と呼び合う愛を通じ、より多くの光が人類に分配されます。そして、繋がっている人々は、そのエネルギーを相互に交換し合うでしょう。その鍵は、自分の意志で求め、協力する愛なのです。

地上の太陽

魂の光は、常に全体を照らしていますが、光は認識されると、より多く受け止める事ができ、周囲に分配される性質があります。太陽のように光を与え、生命を育て維持する魂の光は、仲間を結び付け、意識を分かち合う新しい集まりを作り、次への進化に向かってバラバラな生命を統一していきます。何故なら、魂自身がグループ生命だからです。

私達が地上で、人類と言う愛を学び、その方向に向かうなら、魂は人類が一つのグループとして成長してきた様子を見るでしょう。そうなれば、魂は人類にもっと強いエネルギーを与える事ができます。

人類は、これから個人では受ける事ができないような別のエネルギーを、グループ生命の中で実感するようになるでしょう。この中で、個人は自分一人では発揮できない能力を与えられ、欠点も相殺され、ある種の融合を実感できます。正しい愛で結ばれた集団は、結果として個人をも高める事となるのです。

人類進化の焦点は、昔のように一人だけの英雄や個人に当たっているのではありません。その為、私達はグループの一部に融合するよう愛を高めなければならないのです。その為、多くの人の福利を考え、全体を高めていく社会を目指す必要があるのです。

人類は、思いのほか、魂の要求に反応し、今その道を歩み出しています。だからこそ、一歩進めて、自らの意志で理解を明確にするべきです。多くの人と関わり、グループに属しながら、実はそのチャンスを無駄にしていないか、自分の意識を点検してみましょう。

私達は元々、愛で結ばれ、地球生命の目指す方向に、一致団結して進む生命体なのです。一年間、心がけて日々歩んでいけば、魂と同じような光を帯び、周囲を照らすようになるでしょう。そのようにして、私達人類は、地上の太陽、魂として輝くグループとなっていくのです。

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