山羊座
日本では余り馴染みがありませんが、ヨーロッパの野生の山羊は、食物を求めて冬山の崖を逞しく駆け登っていく強い生物です。草を食べ尽くし、高い場所に登る性質を持つ山羊は、一体どのような星座の特質を表しているのでしょうか?
山羊座の人は極端な性質に分かれます。一方は家庭環境や遺伝的な体質などの背負った運命に縛られて、身動き取れない苦況に立つ人です。その状況を意志で突破するか、捨てるかすれば、自由になれるのですが、とにかく頑固なので我流な考えに凝り固まり、変化する事が難しくなります。
もう一方の山羊座の人は、貪欲で野心的になり、目的に向かって出世し、権力を握ろうとする、まさに山の頂点に立つ人です。実行力や計画性がありますが、支配的で自分の意志を通そうとするので、せっかちでイライラしながら仕事をします。結果を重視するので、実業家や管理職となり、権力と共に責任を果たす人となります。
さて、山羊座がアッセンダントの人は、この世で実際的な結果を出す為の、具体的な目的、実現可能な計画、そして実行の「知的な能力」を磨くテーマがあります。感性や感情が豊かで、気持ちはあるけれど、実際的な結果を出す実力が欠しい人は、山羊座の力を借りて野心を持つようになり、目的に対する意志を試されます。つまり、今までのやり方を捨て、知的能力をワンランク上げる必要があるのです。そのプロセスは次のように訪れます。
山羊座の人に共通の性質は、良くも悪くも頑固で意志が固いと言う事です。山羊が住む山は、鉱物界を象徴しています。鉱物が硬く結晶化するように、頑固な山羊座は、この力で物事を固めて、結果を出す事ができるのです。そして山羊が草を食べ尽くして山を登るごとく、あらゆるものを巻き込んで、目的を達成するでしょう。その瞬間、一度は名声や権力など、何らかの力を握ります。しかし山は必ず降りなければなりません。この時、その人の意識がどこを見ているかによって、後の運命は変わってきます。
もし権力に驕り、尊大で利己的であれば、視線は自分が支配した山の下を眺め、頂点に立ち続けたいと思うでしょう。しかし運命はそう思えば思う程、山は必ず崩れます。固まった鉱物は壊れる運命を辿ります。その人は何らかの形で、その場所に居られなくなるでしょう。
一方、その人が山の頂点で天を眺め、頭上の太陽に気づいたら、謙虚にひざまずくでしょう。自分より偉大で神々しいもの=魂=生命があると気づく瞬間です。ここまで来れたのは、自分一人の力ではなく、魂の導きや多くの人の協力があった事を理解するのです。だからこそ、山を下って多くの人に奉仕すべき新たな使命に気づくはずです。山を下る時、山羊座の人は充分実力がついているので、多くの才能で周囲の人を助ける事ができます。このような精神的変貌を遂げた人は、優秀な組織者、実業家、管理者、責任者、名士、芸術的表現者として、社会に貢献する人となるでしょう。
山羊座は物質的な星座でありながら、山の頂点に立った時、非常に精神的、魂的な変化を求められる星座です。謙虚さ、責任感、奉仕の精神を持てるか、ここが大きな分かれ道です。そうでなければ、極端に頑固で利己的な人となり、人生の結末が破壊的なものになりかねません。具体的な行動と、崇高な精神、まさしく知的で強い意思が生まれる星座です。非常に難しい星座ですが、飛躍的な進歩を遂げるチャンスが来ている時期だと理解して、この難関をクリアして下さい。