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時代と星座
時代と星座 | 2016-11-04
乙女座
乙女座のテーマは「識別力」。これは地球の全物質が進化する為に、何が必要かを人間が判断し、選択する能力です。その為、鉱物、植物、動物界の進化が特質である地球は、乙女座の保護下に入っています。
識別力は全ての人にとって、人生を左右する大事な力です。私達は識別力が未熟な為に、問題が起こったり、巻き込まれたり、落胆したりします。更に、魂の進化から考えると、何をどう選ぶかによって、進化する事もあり、反対に無駄な経験を繰り返したり、新たなカルマを作る事もあります。意識の進化は識別力の進化と言っても過言ではありません。特に現代のように、情報が氾濫し、自由選択が可能な時代では、何を選ぶかが、運命を左右する重大な要素です。
占星学で言う「真の識別力」とは、魂に必要な経験を選択し、その経験を獲得する力です。しかし、人は基本的に好き嫌い、快不快に振り回され、努力したり苦労する事は避けがちです。色々経験を積んでも、簡単にできる同じような事ばかりを繰り返している恐れがあります。経験には、自分を正しく扱う訓練的な要素が必要です。自分を上手に支配し、状況に合わせて扱える人こそ、周囲の環境を支配できる人なのです。
そこで乙女座には、成長に応じて「イブ、イシス、マリア」の三段階が設定されています。これは、心と体の扱い方を学び、周囲の人や環境、物の正しい活かし方を獲得する知性発達のプロセスです。三人の女性は、魂を生む妊娠過程の象徴です。
①イブは、魂の特性である知性が目覚め、色々と経験を積み、知識を学ぶ事ができる段階です。ところが、学んで知ってはいるものの、心と体は別々で、知識と自分の生活が一致しないバラバラ状態です。意識は感覚に固執していて、心や行動(体)を改善するまでは至りません。批判は良くするものの、論理と私生活の意識活動は別、その為、いくら勉強しても空しさがあり、充実感が得られないのです。これはまだ魂と結婚していない処女段階です。
②イブからイシスに進むと、様々な物を正しく扱い、実際に状況に合わせた行動が取るようになってきます。寧ろそうできる自分でありたいと望むようになり、行動において自分を律する意識が強くなります。この期間は長く、自分の好みだけに固執せず、多くの物や人、現象を積極的に受け入れ、感性を拡大していきます。感性が広がるにつれ、命に対する信仰心が目覚め、全ての存在には必ず特性があり、その美を見ようと心がけます。この眼こそ魂の開花の印です。全てのものの中に神を見る眼が、真の識別力と浄化を意味します。
ところがイシスは飽きっぽく、結果が充分出る前に、別のものにあれこれ目移りして、やめてしまう傾向があります。自分の行動を最後まで支配しきる知的意志が徹底しません。これが妊娠6ヶ月で流産を繰り返すと言われるイシスの性質です。
例えて言えば、多くの植物を吟味し、育て方を学び、やってみるものの、不必要な事にこだわって夢中になり、実や種を収穫する事を忘れてしまうのです。自分の心と行動(体)を支配し切っていない為、忍耐力や識別力が不十分になり、最も大事な事から目が逸れてしまうのです。
③マリアの段階=識別力の完成には、反対極の魚座の意志が必要です。徹底した意志は、我がままで偏った体や心、勝手な考えにも左右されず、物事を貫徹します。それには、当然ですが、「忍耐、努力、持続力」がどうしても必要です。しかも、その目的はもう自分の為ではなく、他の存在を育て援助する事に変化しています。この愛他意識が世界に光をもたらす魂の奉仕です。奉仕の方向が正しければ、魂は正しい直観力を与え、識別力が完成します。自分を支配した為、魂の理知性は人格の欲望に邪魔されずに働けるようになるのです。マリアは、魂の光を生み出す成熟した人格を表し、全ての人の未来像を象徴しています。
私達の識別力はどの段階を進んでいるでしょうか。子を抱く母とは、魂が支配した知恵ある人格です。体、心、知性を浄化し、多くの人を助ける生き方より大切なものはありません。乙女座は未来永劫、この単純な真理を伝え続けているのです。