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時代と星座
時代と星座 | 2017-02-03
射手座
射手座は、古代アトランティス時代に、ケンタウロスとして、個人的欲求を発達させた星座です。その為、現代人はとても強い欲望を持っています。しかしこれからの時代、射手座が目指しているのは、ペルセウスやヘラクレスを育てた教師ケイロンです。これは魂中心の射手座を象徴していて、霊的な弟子を表しています。全ての人にとって、射手座の訓練を学ぶ事は、霊的な道を歩む上で重要な示唆となるでしょう。
ケンタウロスは、野心的で自分と自分の思いに集中しています。思いを遂げる為に、人格の全ての力を注ぎ込み、情熱的に自分の事、自分の夢、正義を語りますが、それが利己的で自己中心であるとは気づいていません。強い発言力と行動力、周囲を巻き込む力がありますが、自分の理想と違うもの、賛同しない者に対して攻撃的、排除的です。人の意見に興味がなく、思い込みが激しく、理解力に欠ける傾向となります。
ケイロンは非利己的で、自分の事を忘れ、人類の善なる事に集中します。人を救済する為の並外れた強さ、愛と勇気、理解力があり、人が過ちを犯す意識や、進むべき方向について、深い示唆を与える事ができます。情熱は冷静で正しい直観力に変わっていて、優れた創造性と指導力を揮います。
この比較から、私達の大半は、まだケンタウロスのレベルにいる事がわかります。しかしこれは進化の道から言えば、当然通るべき道と言えます。何故なら人間は、まず一人前の強い人格にならないといけないからです。自分の欲求を満足させる為には、持てる能力と力を知的に用い、野心的に目標を成し遂げる。これは乱暴で勝手ではあるものの、個人的強さを証明する進化の過程なのです。
射手座は、自分の目標を決めて行動し、結果を見る経験を繰り返します。それは若者が自分の夢を追って行動し、喜怒哀楽を繰り返す姿に象徴されます。人は夢を描く力と行動力を手に入れ、個性的になると、皆このようになりますが、結果は段々期待外れ、人間関係ももめ事が多くなり、最後は落胆するようになるものです。
原因は、欲望を素晴らしい直観と間違えて、勝手な思い込みと正義感を信じ込んでいる事、周囲に対し、自分と同じ気持ち、同じ考えでいて欲しいと言う依頼心があるからです。しかしこの事を理解するには、相当な時間がかかります。何故なら、上手くいかないのは、相手や条件のせいだと、自分を正当化するからです。更に欲望が強く情熱的であればある程、執着が強く、中々諦めない頑固さが加わります。このような時期は、「馬耳東風」「馬の耳に念仏」で、何か言われたくない、聞きたくない、そして理解できないのがケンタウロスです。
しかし、人間には魂の理性と信仰心があります。やがて自分は誤った幻を望んでいたと素直に認め、立ち止まる時がやってきます。興奮や思い込みをやめ、射手座本来の信仰心が、自分を訓練し直そうと静かに考える時がやってくるでしょう。そんな時、以下の点を訓練すると良いでしょう。①人の話を正確に聞き取る努力をする、②その意味を考え、理解する、③自分の発言に気をつける、④自分から離れた、意識の二重性を持つ、⑤不屈の信仰心を持つ
この中で特に、発言力をコントロールする過程は、欲望を支配し、自分を忘れる素晴らしい訓練となります。そして上手く行っている時も、落ち込んでいる時も、全ての人が、魂に導かれている事を忘れてはいけません。魂は、人が勝手に離れていかない限り、私達を見捨てる事はないのです。
更にもう一つ、信仰心で重要な点があります。それは、自分も人も平等な人類の一員であると言う理解です。自分だけ特別、例外的だと思うと、自分を甘やかせ、幻影を増長させてしまいます。自分をはじめ全ての人が、同じ命の中、同じ法則の下で生きている事を、冷静に認識しましょう。
これらの訓練は、真の教師になる準備です。真の救済には、意識を変革する指導が必要です。自らその難行に取り組んだケンタウロスこそが、人類の教師としてケイロンに変貌します。射手座はこのように人類を鍛え上げ、多くの教師を生み出しています。そして私達もやがてそうなるでしょう。