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時代と星座
時代と星座 | 2018-07-06
牡牛座と第1光線
牡牛座の最も強い光線は黄色の第4光線ですが、支配星にバルカンが働いている為に、第1光線の強い影響があります。牡牛座の人が、12星座で最も怒りが強く、しばしば頑固な性質を表すのは、「意志と力」、「破壊と創造」の第1光線が働いているからです。今回は、牡牛座と第1光線の関係を考えてみましょう。
現在地球では、インドネシアやハワイ、桜島に見られるように、火山活動が活発で、日本列島では地震が頻発しています。このような鉱物界の活動を活性化するのがまさに第1光線です。硬くて動きにくい山まで活動させてしまう力は、人間がコントロールするのが難しい程大きいものです。怒りが噴出すると、抑えられないのは、バルカンの影響による衝動なのです。
第1光線の惑星バルカンは、ボルカノ=火山の語源で、ギリシャ神話では鍛冶屋の神に例えられています。文字通り、鉄を叩いて優れた道具を造るように、熱を与えてより良い形の物を創造するのが仕事です。この影響で、牡牛座の人は火山のような衝動的意志を持ち、獲得したい対象やイメージが、次々と浮かんできます。それによって、新しい体験や実際的な物を得ていくのです。
意欲的な牡牛座の人は、大きく分けて2つのパターンに分かれます。一つはバルカンの働きが自分の外に向いている為、周囲を思い通りに支配しようとする野心的な人です。欲望と衝動が物質的に働くので、対象となった人や物、現象を、猛烈な勢いで得ようとします。得て支配する事が目的なので、どんなに難題であっても、執拗に諦めず、邪魔する者には怒りを爆発させながら、周囲を動かします。この時、落ち着いて考える事が難しいので、知的な考えは余り発達せず、意地と欲望だけが先行しがちです。
しかも、自分は正義を行い、物事を良くする為に行動していると自負があるので、周囲の助言を聞き入れたり、様子を観察する事が難しくなります。体裁を保って、怒りと衝動を隠していても、動機が不純なので、やがて周囲の人々が離れていくか、精神的に不安定になり、運命は破滅的になるでしょう。これは、自分を変えるのではなく、周囲の人と現象だけを変え、支配しようとする為です。第1光線の力を、誤用して破壊的になってしまうパターンです。
もう一つのパターンは、バルカンの力が自分の人格形成に向いた人です。鍛冶屋の神は、神の道具を造る人です。そして神の道具とは、自分自身です。この意味を理解している人は、絶え間ない努力を続け、自分を造っては壊し、自己鍛錬を怠りません。鍛え上げ支配すべきは自分です。才能ある優れた人格を造る事が、世の中への貢献になるとわかっているからです。自分を造り変える作業は、まさに鍛冶屋の作業です。意志強く、長期的に自分と闘わなければ、到底成し遂げる事はできません。この苦労は人を成長させ、また人々の苦痛を良く理解する経験となっていきます。
このように、第1光線を内的な精神に向けると、自分の扱い方、そして物や人の活かし方を熟知する知恵者が誕生します。そして独りよがりの正義は、全ての命を生かすスケールの大きな正義へと変貌していきます。この頃には、火山のような怒りも、自分と人への慈悲、そして正しい活かし方と言う癒しへと変わっている事でしょう。
社会と地球に貢献する為には、良い目的と実際の行動力が必要です。牡牛座の第1光線は、人格を鍛え上げる意志を行使し、全ての人の人格形成、そして活動的な知性を促進します。私達は支配の意味を正しく理解する必要があるでしょう。