Time and Astro
時代と星座
時代と星座 | 2018-12-07
射手座と第5光線
夢が多く情熱的な射手座は、「理想と献身=第6光線」の印象が強いですが、意外にも、「具体的知識と科学=第5光線(オレンジ色)」の特質も強く表れています。どんなところでしょうか。
射手座の人には、強い発言力が備わっています。好きな分野について尋ねると、膨大な知識を披露してくれます。正義についても熱く語り、説明を求めると、懇切丁寧に納得するまで説明してくれます。反対に賛同を得られなかったり、間違いを指摘されると、屁理屈や長い言い訳が返ってきて、攻撃的に相手を言い負かそうとします。この発言力、説得力、説明能力の論理と知識は、第5光線の力で裏付けられているものです。
射手座の第5光線は、本来、哲学や宗教的な思想を思考する為にあります。射手座は、自分の理想に基づいた目的を決め、行動し、そして結果を出す独立性を持っています。その一連の行動は、射手が獲物に矢を放ち、馬を走らせ、何を得たか見に行く姿に象徴されています。
獲物とは、行動の結果です。欲望に突き動かされている射手座の人は、獲物を見るより、馬で走っている感覚を好むので、余り結果を気にしません。また、目的に向かっている自分が好きなので、次々と矢を放ち、獲物を見た時、止まる事は少ないでしょう。
しかし、射手座の最も重要な部分とは、抽象的な意味や意識の方向性を理解する思考力です。欲望と感覚より、理性が主体になってくると、射手座は物事の結果から、その原因となっている意識について、じっくり考え出します。結果が良くても悪くても、その結果が表す「意味」とは何か、意識の純度はどうだったのか、それは魂が求める根源的なものだったのか、と。
本能や心の欲望が原動力になっている間は、第5光線は、自分の思いの説明や、欲望を正当化する為の論理に使われてしまいます。この場合、話は一方的で、人の話を聞き入れたり、話し合ったりする事は難しい状態です。馬と射手は一体化していて、本来馬を支配すべき射手は、馬の上に乗っているだけです。いわば、欲望が知性を支配して、論理は後付けで出来上がっているのです。
射手座は、馬を訓練する星座です。その為には、まず馬と射手(人間)は違うと言う自覚が必要です。つまり、自分の欲望と知性を区別する事が大事なのです。その為にこそ、科学的な論理の第5光線が必要です。自分は何故それがしたいのか、この主張は本当に合っているのか、それは人や自分にとって、何の意味があるのかなど…。注意深く考え、意識の奥底を探る事で、欲望に騙されていないかを検証する練習が始まります。理路整然とした第5光線の知識と論理を、自分の思考回路の点検に使うのです。
この作業は、興奮していてはできません。練習しているうちに、やがて心は鎮まり、馬は論理に従う、つまり知性が心を支配する事に成功するでしょう。自分に対してこの作業ができた人は、人に対しても、冷静な判断ができ、何が問題で、何故そうなったか、意識の方向がどこを向いていたのかを説明する事ができるようになります。ただ悪い所を指摘するのではなく、根本的な意識の問題について理解し、説明する事ができる人こそ、真の教師と呼ばれます。それこそが、射手座のあるべき姿です。
情熱的で興奮している人は、ある意味魅力的で面白いかもしれません。しかし、射手座の真の姿とは、思慮深く、知恵があり、人間の根源的な魂について考え続ける人です。これこそ、愛に裏付けられた第5光線の輝きと言えるでしょう。