Letters
手 紙
手紙:2017-10-13
もっと輝く為に
病気になった時
年を取ると、多くの人が体調を崩し、病気になります。老化は必ず起こり、何らかの病気になる事は、ある種自然の摂理ではありますが、一方、年を取っても命の輝きを失わない人もいます。この差は単に遺伝や老化のせいだけなのでしょうか?
人はいつか必ず病気になったり、怪我をしたりするものです。それをできるだけ避ける為、最近では医学が生活習慣や心のあり方、ストレスの対処法などをアドバイスするようになってきました。これは、病気の原因が純粋に肉体的なものだけではないとわかったからです。ですから原因を理解し、生活を改善しなければ、病気は治らない、あるいは繰り返されると、多くの人が理解しています。
しかしいざ病気になると、原因を指摘されても、考えるより先に「そんな難しい事はいいから、どうしたら早く治るか教えて下さい。治るんですか、治らないんですか?」と聞いてしまいます。病気は死を連想させるので、人は恐怖を感じます。ですから、日頃から問題が起こった時の「落ち着いて考える態度」が出来ていないと、治る方法だけを聞きたくなるのです。この態度こそ、結果だけを重視し、結果さえどうにかなれば良いと言う「物質的」な考え方だと気づきません。病気に直面した時、自分が咄嗟に何を考えるか、長年の意識活動が影響します。それによって、自分の傾向意識が顕著にわかるでしょう。
「病気」は循環している「気が止む」と言う意味があります。病気が起こった時、誰でも早く解決したいと思うので、最初に「どうしたらいいでしょうか?」と外的な方法を聞きたくなるものです。勿論今は様々な薬や治療法があるので、医学的治療法は取り入れるべきです。しかし、それと同時に、「気の流れ」を止め、スムーズな循環を阻んだ原因があるはずです。その根本原因は、長年続けてきた「意識」です。この意識を理解する、原因を理解する事に重きを置く訓練が、魂的な理性に繋がります。
病気は治るかもしれないし、治らないかもしれません。それは年齢や病気の種類、進行度合いで決まります。しかしその結果より大切な事は、長年の経験と知性や勘で、原因を考えるだけの意識活動があるかないかです。治るかどうかは結果です。病気をはじめ、深刻な問題に対して、私達は今までどう対処してきたかを考えると、残りの人生や次の人生への展開が見えてくるのです。
天命と輝き
「欲求不満」「不服」「イライラ」は「気が止む、詰まる」最大の原因です。現代はストレス社会と言われ、全ての人が欲求不満であると言えますが、どんなにハードでも、健康に働ける条件があります。それは人が「天命を全うしている」時です。「天命?そんなもの、特別な人でないと無いでしょう」「そんな難しいもの、どうやってわかるの?探し続けても未だに分からないのに‥」と思うでしょう。果たして本当にそうなのでしょうか。
子供は全員生来の夢を持っています。夢とは、天命の具体的表現方法です。全ての魂は天命を持っているからこそ、訓練の為に生まれてきています。寧ろその天命を完全に忘れ、絶対に思い出す事ができないのなら、人間の人生は、殆ど意味がないものになってしまいます。子供の頃、あるいは若い頃に、誰でも夢や理想、目指そうと思った事があったはずです。しかしそれを実現するのは、その人にとって簡単な事ではないでしょう。怠け心や周囲の影響、常識、大人の教育、劣等感、競争意識やプライドなどにより、私達はその夢をどこかで諦めたり、歪めたり、誤魔化してはいなかったでしょうか?天命や魂の呼びかけに応えず、この世に流されて適当に生きる事を「惰性」とか「習慣」と言います。習慣に生き、天命を全うせずに生きると、魂から見たら見当はずれの生き方になり、魂からのエネルギーがスムーズに流れません。
気の流れが長年滞ったり、詰まったりすると、不満やイライラが益々募り、結果として病気になります。その根本原因は、天命を理解しない自分の意識が、エネルギーの流れをせき止め、循環が悪くなって起こるのです。これが大きな意味で、全ての人に共通する病気の原因です。
天命に従った意識で生きている人は、巨大な生命の貯蔵庫からエネルギーを受け取る事ができます。何故なら、自分に溜まって滞るエネルギーが無い程周囲に尽くすからです。天命とは、「人類は一つ、そして進化する」と言う魂の真理に、協力する生き方です。その方法は、それぞれの人生、人によって違うでしょう。ただ、人々と自然界の命を愛し、精一杯尽くす実際的努力をすれば、自ずとわかってくるものです。
魂からエネルギーを受け取り、分配する循環が確立されていれば、気が滞ったり枯れたりする事は少ないものです。たとえ疲労し一時期病気になっても、復活する術と力が与えらます。そのような生き方は、年齢による老化に左右されずに、命の輝きを放つでしょう。そして、この流れをせき止め、輝きを失わせる敵はたった一つ、自分自身の「プライド」や「利己的な考え方」、「怠惰性」、つまり自分勝手な考え方なのです。
理解する勇気
年を取って自分の保身や言い訳ばかり考える前に、人類が生み出した偉大な人々や聖者の生き方を考えてみましょう。老齢になっていく中で、彼らはどのように生き、その年齢で何を語り、どう行動していたでしょうか。彼らも私達と「同じ人類」です。特別な人として、自分とは違うと考えるべきではありません。彼らは、ただ比類稀な努力を積み重ね、一貫して命に尽くし続けた人々です。もし私達も彼らと同じように生きるなら、同じ輝きを放つ事は可能なのです。
この一週間、あるいは今日一日、自分が考え、言葉に出し、行動した事を思い出してみて下さい。どれだけ私達は自分の事ばかり考えているかがわかるでしょう。これでは内的な「愛=魂」が私達の本質であっても、エネルギーがスムーズに繋がって、肉体まで循環しにくいのではないでしょうか。
健康は、意識活動の進化によって、結果的に与えられるものです。病気と言うチャンスに際して、医学的な治療と同時に、最も重要な事は今までの意識活動を理解する事です。理解し、何回でも修正し続け、階段を登るように魂の愛に近づいていく事が大事なのです。
人類の偉大な先達は、滅びる事のない永遠の生命に賭けた人々です。だからこそ、肉体に魂の愛が流れ込み、輝きながら活動できたのです。しかし彼らも、一度だけの人生で、完璧になったわけではありません。人間は誤りに気付いた時、年齢と関係なく、いつでも、何度でも、修正する勇気が必要なのです。
太陽が燦然と輝くように、私達は内面から、もっともっと輝く事が可能です。病気や問題をきっかけに、全ての人が魂の光を受け取るチャンスに転換できます。輝きは、結果を変える事ではなく、真に理解する事から生まれます。その輝きは肉体が滅びても、永遠の財産として持ち続ける事ができる事を理解して下さい。