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手紙:2018-02-09

言葉から学ぶ

言葉を眺める

皆さんは自分が普段どのような事をどんな風に話しているか自覚していますか?これは自分がどんな「欲望」を持っているかを知っている事と関係があります。何故なら「言葉」は「言霊(ことだま)」であり、エネルギーを形に表現する手段だからです。その原動力が個人的な欲望であれ、神の計画を促進する魂的なものであれ、話している自分を眺めている「もう一人の自分」があれば、この質問にある程度答える事ができるでしょう。あるいは話す事について意識的に訓練した事がある人なら、何らかの答えがあるはずです。

仏教でもキリスト教でも、「沈黙の行」があるように、言葉を支配する事は大変難しい事です。しかし、この訓練から学べる事は無限です。個人が進化した現代では、全ての人が自分の思いを活発に表現するようになり、一日に発する言葉は膨大なエネルギーに換算できます。だからこそ、この力をどう使うかが、進化の鍵を握っています。今回は改めて「言葉」の重要性について学んでみたいと思います。

昔から「沈黙を守る」事は秘伝の条件となるぐらい難しい事だと言われています。私達が話したい衝動に駆られるのは、第三チャクラ(感情と自己保存)の爆発的エネルギーが後押ししているからです。黙っている事は、まさにその爆発エネルギーを支配する事ですが、抑圧すると余計に圧力が増してくるものです。下から喉に向かって突き上げてくる勢いに押される、あるいは反射的にしゃべっている時は、観察する知性が吹き飛ばされ、不在です。何をどう話したか、見たり計算したりする「もう一人の自分」がいないので、日常的にこの状態で言葉を発していると、自分を観察する事ができません。衝動的、反射的に行動しているので、欲望がどんなものか、どんな話し方をしているか、周囲がどんな反応をしているかなど、同時に観察する事はできないでしょう。

マインドの役割

現代人の進化にマインドの発達があります。知性を担当する意識器官をマインドと言いますが、マインドは発達すると、意識を同時に多方面に使う事ができるようになります。つまり、話しながら自分を眺める、更に周囲の反応や状態も観察するなど、複数の意識活動が同時に可能となる訳です。

ではどうしたらマインドが発達するのでしょうか?知的活動の訓練は当然ですが、マインドを利用して話せるようになる為には、「感情的、反射的、習慣的」に話す事を一旦やめなければなりません。習慣的にしゃべる行為を一度断ち切り、一体自分が何を話したいのかを「考える」時間が必要だからです。

更にその言葉は本当に必要なのか、何を表現したいのか、自分を誇示し、相手を傷つけるものではないか、などを考えると、言葉の背後にある欲望が見えてきます。何をどう話したいか、何故その事を言いたいのか、考えているうちに、ようやく自分を点検し、眺めるもう一人の自分が現れてくるのです。

意識的に話すように訓練すると、一時的に今までの人間関係がぎくしゃくしたものになるかもしれません。お互いに意味のない事をしゃべって、ストレスを発散していた関係や、感情を増幅して満足していた関係を失うかもしれないからです。しかしそのような関係を犠牲にしてでも、自分を見つめる意識を獲得できるなら、得られる恩恵は有り余るものでしょう。

また、無闇に沢山話すより、言葉を選んで話せるようになると、不必要に自分や相手を傷つける言葉を発しなくなり、体調や心理状態にも、大変良い影響が得られるでしょう。

説明する能力

では、沈黙し何も話さなければ良いのかと言えば、そういう訳にはいきません。マインドの進化過程には「説明する能力」が条件にあります。これにはかなりの具体的な訓練が必要です。自分が話したい事を話すのではなく、必要で意味のある事を、相手にわかり易く説明する事は、総合的な知的能力の一つです。勿論難しい事ですが、私達がこの世で魂の目的を具現する為には、いつかは必ず挑戦すべき課題です。

目的を論理的に話す事は、相当な知的訓練になります。それに加え、周囲の反応を見ながら、臨機応変に表現を変える応用力、しかも説明の焦点を保ち続ける為には、冷静さや忍耐力、感情の支配力なども必要です。大変な事ですが、もし本当に挑戦したいなら、家庭であっても職場であっても、人間関係がある場所なら、特別な場でなくても訓練できます。だからこそ、誰にでも、いつでも、常に訓練できる素晴らしい課題なのです。

さて、この訓練に役立つ条件を一つ提案できます。それは「(その人なりに)低い声で話すよう訓練する事」です。低い声とは意識的に話さないと出せないので、反射的な言葉を少なくできます。エネルギー的には、感情的に湧き上がってくる力を抑える知力に繋がるでしょう。また低い声は、周囲に浸透し易いので、影響力を高める事や、相手にわかり易い印象を与えられます。

相手に無頓着で、自分がしゃべりたい事に夢中になっている時は、声が上ずって高くなり、周囲にも大した影響を与えられません。沢山早く話す事が影響を与える事ではないのです。世界的に大きな力を揮っている人々、あるいは偉業を成した人々が、どのように言葉と声を使っているか観察してみると良いでしょう。

言葉の支配

私達は繰り返し多くの事を学んでいます。もし学んだ事を一つでも持続して実行していたら、もっと早く変化と進化が起こっていたでしょう。どんな訓練や目的でも、正しい方法で忍耐強く持続すれば、何か結果が出てくるものです。言葉は誰でも、毎日話します。正しく使う事で急速に進化が早まり、大変創造的な環境を創れるでしょう。

言葉の支配は、まさしく意志の訓練です。私達は個人的な目的を果たす事で、意志を強める準備をします。目的に向かって行動する事で、自分の中からあらゆる可能性を引き出さなければなりません。その中で、自分がどのような欲望を持ち、何が特性でどのような力があるのかを知り、それを訓練して表現しない限り、大きな仕事はできません。自分を知ってこそ、初めて他の人が理解でき、理解すれば正しく助ける事ができます。

私は何を目的にして言葉を発しているか。これを眺め、考え続ける事で、良くも悪くも自分に関する多くの側面を発見できます。このような観察と実行は、年齢や肉体状況と関係なく、いつでもすぐに始める事ができます。失敗しても何回でもやり直す事も可能でしょう。自分はもう変わらない、何も始める事はできないと諦めた時から、「私」と言う細胞が地球の中で命を失い始めます。そんな時は、人間を指導している魂や、地球の事を考えてみて下さい。世界の問題を抱えたまま、気の遠くなるような長い時間、進化し続けている地球、人類を指導し続けている魂を考えれば、私達が何もできなくなる事はあり得ません。

学ぶ方向が正しければ、私達の言葉は次第に光を増すでしょう。その光は、魂の愛と意志の力が、地上に降り立つ滑走路となります。今年一年、共に光の言葉を目指す同志が増える事を、願っています。

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