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手 紙
手紙:2018-04-13
柔軟性の大切さ
破壊は何故起こるか
皆さんは「強い心」と言ったら、どんな人を想像しますか?例えでは「鋼のように強い」と言うように、鉱物がよく引き合いに出されます。鉱物は硬い性質があるからですが、果たして「硬い」と言うのは強さの基準になるでしょうか?
現在地球が新時代として取り入れているエネルギーは、以前と違い新しい特徴があります。「あらゆるものを急速に結晶化し、結晶化したものを破壊する」と言うものです。この力で、様々なものの結果が早く出て、物事の新旧が早く交代するようになりました。このエネルギーは、末端の鉱物界にまで届いているので、巨大で硬い山々も容易に破壊し、火山活動や地質の変化が活発化しています。
この力は、私達の意識の世界で、どのような変化を起こしているでしょうか。硬い鉱物をも壊す力なら、「鋼のように強い(頑固とも言える)心」を持っていても、その心は硬いゆえに破壊されてしまいます。これでは強いとは言えません。では、硬さを越える強い心とは、どのようなものでしょうか?「柔軟で弾力のある意識」。これが時代を乗り切る為に、最も必要とされている意識です。今回は新しい時代に対応する意識の特性を学んでいきたいと思います。
近年、地球が最大級の破壊エネルギーを放出したのは、世界大戦です。新しい時代に相応しい文化を創る為の徹底的な大破壊でした。世界大戦では、自然界を含む形ある物、文化も人の心も粉々に砕け散りました。しかし、この破壊は物質界に対して起こったのではなく、人間の想念世界に対する打撃でした。地球の力が、人間の結晶化した古い考えを破壊したものだったのです。
ところが意識も物質世界も、全てが壊れたからと言って、人は新しいものを創るとは限りません。私達が「復興」と言うと、大抵以前と同じような状態を望むので、同じ事が繰り返される可能性が高いのです。結晶化した古い意識や習慣はそう簡単に新しくなるものではありません。
破壊を最小限に留める
そこで地球は「人類の意識」を注視し、その世界への破壊と創造の速度を早めたのです。既に固まっているもの、結晶化した考えは、早く固めてすぐ壊すよう、新陳代謝を促しました。
こうする事で、意識の世界から物質界まで、全ての時間が早められ、結果が早く出るようになりました。才能も、隠蔽されているものも、運命が加速されて早く表に表れます。時代にとって良いものは急速に広がり、古いものは小さな結晶レベルで壊れ出します。このお陰で進化を望む人は、過ちや方向を早めに察知する事ができるようになり、大事になる前に意識を変え、痛みやショックを最小限に留められる可能性が出てきました。
勿論理解できなければ、原因を理解するまで同じ事が形を変え、何回も繰り返され壊れます。もし原因や理由を理解すれば、柔軟に考えて対処し、工夫して創り変える「鍛錬」となり、知性と愛は着実に高まっていきます。これを繰り返していると、同じ意識に留まらず、常に前進する不屈の意志も鍛えられます。また、どんな良い事であっても、枠組みを作り、同じ事を繰り返す習慣になったり、断定してしまうと、「意識は結晶化」し、知らない間に退化となるのも法則の一つです。
柔軟性の強さ
この時代、最も大切な意識とは「柔軟性」です。意識の柔軟性とは、多種多様な意識のパターンと衝撃に対して、あるがまま受け止めて認識する力と、変化に対応する優れた適応力を表します。柔軟な知性があれば、問題解決や改善・改革に対しても、今までに無い視点から考え、様々な分野を総合的に利用し、あらゆる可能性を探る事ができます。既存の枠組みに囚われず、新しい発想や組合わせが自由に広がり,現に新しい文化と技術が次々と生まれています。
もし我々が「こうでなければならない」「これが正しい、絶対だ」と言う信念、理想、固定観念、先入観のようなものを持っているならば、それはどんなものであれ、意識が固まり頑固になる可能性があります。信念がある人は強いように見えますが、この時代に限ってもっと重要な事は、信念や理想があっても、それに柔軟な考えを加える事です。なぜなら個人の理想や信念は、その人にとってある時期の成長に必要な一時的目標です。また正しい事も、ある範囲内で正しいだけで、別の環境や範囲が広がると、必ずしもそうとは限りません。進化の世界では、常に次の高度な目的や価値観があるので、どんなに優れたものも、「絶対」は有り得ないのです。
もし意識に柔軟性が無くなると、理想や信念が固まり始め、他への興味を失ったり、新しい考えが浮かんでこなくなります。たとえ多くの活動をしていても、実は質的には全部同じパターンを繰り返すようになってしまいます。やがては周期が早くなり、結局何らかの形で事件や問題、崩壊が起こってきます。体が老化して硬くなり、動かなくなっていくように、意識も硬くなると老化と崩壊が起こるのです。
一方柔軟性のある意識は、小さな変化を敏感にキャッチして、異変を感じ取ります。その異変の原因を恐れずに考え、理解すると、直ちに間違いや結晶化の修正ができます。この対応の速さと鋭敏さ、変化を恐れず前進する力こそ、本当の強さと言えるでしょう。変化を受け入れ、自分自身も変わる事に喜びを覚える人は、破壊する前に自ら過去を捨て、創造へと前進する事ができます。それこそが柔軟性を身につけた強く若々しい意識なのです。
変化する勇気
私達は意識が結晶化すると、他の人の意見や考えを我流に解釈するようになります。また違った意見や見方に無関心となり、聴く耳を持ちません。時には自分の考えを守る為に、周囲に対して怒り、破壊的になる事さえあるでしょう。一方その価値観が崩壊した時、破壊のダメージは大きなショックとなり、長い間低迷します。何故なら、意識素材が石化しているので、パーツを組み換えし、再生する事が難しく、時間がかかるのです。
現在、高齢化社会の中で、多くの人がこの衝撃を経験しています。長年培ってきた価値観や生活パターンで生き延び、ようやくこれで安泰できると思いきや、どれもこれも不確かになり、考え方も物質的な生活も、安心して立つ基盤が次々と崩れていきます。誰もが年齢に関係なく、変化の対応に迫られているのです。
「五十歳過ぎて、人間、意識を変えるなんて無理(これも一つの信念)」、多くの人がそう思うでしょう。しかしもしそうであれば、この先、人生で心の安定を得る事が難しくなります。体と同じように意識も老化して硬くなるのなら、地球が人間に課した課題は、克服不可能です。
しかし、私達は年齢に関係なく、意識を変える事ができます。それは、魂と言う常に最も新しい意識があるからです。頑なに自分の正しさにしがみつかず、変える事に臆病でなければ、今こそ高い適応力、柔軟で弾力に富んだ知性を、手に入れるチャンスです。そう決意すれば、魂は必ず力を貸してくれるでしょう。
無限に広がる高度な世界
現在の人類は、まだ潜在している能力の半分も発揮していません。我々にはこれから想像を超える進化の道が続いているのです。人間が解明していない地球の神秘や知識は、無限にあります。地球を越え、無限に広がる宇宙を考えただけでも、自分の経験だけに留まった知識は、余りにも狭く少ないものだとわかります。
向上し、行動する為には、勿論理想や信念は大切です。しかし世界にはもっと高い知識が延々と続いています。この真理に対して「そうかもしれない」と柔軟に思うだけで、我々は自然と謙虚になれ、変化を受け入れる事ができるでしょう。そして今時代に求められている「協力と支援」も、人と組んでやり易くなります。お互い柔軟に少し形を変えるだけで、組む事が可能になるからです。組む事ができれば、今までの知識や能力を最大限活かしながら、組織の中で新しい体験ができます。それだけで、意識は拡大・向上していくに違いありません。
春の新しいエネルギーを受け、新しい生命が蕾や大地を突き抜けて現れてくるように、我々の意識も古い殻を破って再生します。柔軟性は、不死鳥のように、決して死に絶えない若々しい意識を生み続けます。我々は破壊を最小限に留め、直ちに新しい意識を再生する事ができるのです。その柔軟な対応自体が、破壊のあり方すら新しく変えてしまうでしょう。私達には、無限の可能性があり、その変化を体験する強さがあるはずです。人生とは、人類のこの素晴らしい能力を証明する為に、あるのではないでしょうか。