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手紙:2018-10-05

光に満ちた未来

環境と状況は自らの創造物

密教の原理の一つに「人は自らが考えた通りになる」と言う法則があります。どんなに不平不満や問題があっても、自分自身と自分を囲んでいる環境や状況は、自分が創ったものであり、考えた結果なのです。にわかに信じがたいこの原理は、完全に納得できないかもしれませんが、学んで理解を深める事は、より良い生き方の助けとなるでしょう。

この原理の鍵を握るのは、「愛」の理解と扱い方です。何故なら、愛は意識であり、様々なものを引き寄せる引力そのものだからです。 愛とは「宇宙引力の法則」です。見えない次元を含めて、愛が様々な物質を引き寄せて世界を創造しているのです。そして「神は人を自分に似せて創った」と言われているように、私達には自由意志と、愛の引力を揮う力が備わっています。人は自分の考えに従って、必要なものを引き寄せ、自分の肉体、心、知性、経験、物など、自分の個性と環境を創っているのです。

さて、この観点から自分と自分の環境を眺めてみましょう。自分の周囲には一体どのようなものが多いでしょうか?興味はどんな事、物、人に向いていますか?言葉に出して話している事、頭に浮かぶ事、一体どんな事が多いでしょうか?好きな事、素晴らしい事、嫌な事や問題も含めて、それらは自分の愛が向いている方向を表し、環境は意識が引き付けた結果です。

問題に囲まれている人は、面倒な問題など引き寄せたくないし、自分が引き寄せているはずはないと思うでしょう。しかしその問題の分野や原因は、自分の愛=意識が関係しています。その人の意識が向いているからこそ、取り上げて、問題になっているからです。気になって仕方がない、何とかしたい、問題視する、これらは自分がまだ理解すべきテーマか、愛着が残っている事を表しているのです。

欲望は愛が歪んだもの

純粋な愛は高度な知性であり、そのエネルギーを伝達し、対象を理解する事は喜びになります。ところが人間の愛は不完全な為に、一時の喜びは、やがて苦しみや問題へと変わっていきます。これは魂の意識を受信する個性が未発達な為に、愛が欲望に変質するからです。

愛が欲望になると、一体どのような違いが起こるでしょうか?愛は完全な識別力を持っています。進化の方向や、その為に必要なものと不必要なものを識別できるので、個人的な考えや事情より、人々や地球に貢献できる事柄を優先します。「全体に役立つ事」が人生の主流になり、完全にできなくても、そのような生き方をしたいと願うようになるでしょう。手にしたものは良き目的の為に活用し、分配するので、個人的には余り多くを求めなくなるでしょう。人生は奉仕が目的となるのです。

一方個人的な欲望は、元々魂の愛が投影したものなので、本来愛が奉仕する対象を表している可能性があります。個人の興味が向く、好きだ、才能があり得意分野だ、理想を描く、獲得したいと思う、これらの欲望は、元々愛の対象を向けるべき対象かもしれません。

ところが欲望は自分が獲得し、自分自身を守り、プライドを満足させようとします。愛の引力は自分に向き、周囲にある物質や人を、自分に引き寄せて離しません。すると、人は自分が望んで引き寄せた物質に取り囲まれ、同時にそれらの引力にも引っ張られる事になります。その結果、人は物質に囲まれて身動きが取れなくなるのです。

更にこのような物質は、個人的な低い波動に同調したものです。低い波動の物質は、より多くの不完全さを含んでいます。その為、不完全さから問題が噴出してくるのです。一旦得て喜んだものの、持っている限り次から次へと湧き上がってくる問題の処理に負われる事になるでしょう。不完全な物質に、光を与えるのではなく、自分に引き寄せた為、同じような問題に繰り返し負われる事となるのです。

また嫌な事に対して、常に不平不満を持つと、想念が増幅され、余計頭から離れなくなります。自己防衛や利己主義と言う間違った愛が、問題を引き起こし、増幅している事に気付かない限り、悩みは止む事がないでしょう。問題とは、個々の原因は色々あるでしょうが、押し並べて、愛の使い方が間違っている為と言えるでしょう。

救済とは光を取り入れる事

地球の進化計画は、宇宙的な愛を地球に取り入れる事であり、個人的な欲望を増長させる事ではありません。純粋な愛は多くの光を伝達します。どんな人でも、どんな物質でも、光を取り入れる事が救済であり、不完全さをより完全に改善する術なのです。全ての人は、分野や形は違っても、また無意識であっても、この使命を果たしている存在です。ではどのようにしたら、光を多く取り入れる事ができるでしょうか?

それには地球と言う最も公的で偉大な存在が、何を考えているか知ろうとする「謙虚さ」と、「高邁な理想」が必要です。宗教では瞑想や祈りを通してこれを知るよう教えました。人間の愛は魂の愛と同調する為の最高の引力です。個人的な欲望を犠牲にし、魂が望む愛、地球と共に歩む方向に「同調」する訓練を重ねると、欲望は純粋な愛へと変わっていくでしょう。この「同調」が個人に巨大な光を与えるのです。人は魂との同調で得た光を、この世で分配する事で、真の救済と奉仕ができます。光は外からまとうものではなく、自分を変え、自分の中から引き寄せるものなのです。

未来は光に満ちる

人が天国や神の世界を描く時、必ず眩い光と美しい色彩を使います。これはロマンチックな絵空事ではなく、未来我々が創造するはずの現実的世界です。それはどのように実現されるのでしょうか?宇宙的な愛の世界には、私達が見た事もない美しい物質や強い光の世界が存在しています。人がこのような純度の高い質料と接触するようになると、考える目的も行動も、進化に沿ったものとなり、活動を通して周囲に光を分配する事ができます。人が行動すればするほど、考えれば考える程、世界の美しさと光度は一層増す事になるでしょう。世界の進化とは、物質の振動を高める事であり、全ての人の目標とは、そのような光を引き付ける人間になる事です。

遠い未来、世界はもっと多くの光に包まれます。環境は強い光を放ち、色彩は更に美しく輝くでしょう。それは我々の欲望が愛に変換されていく過程で起こる世界の化学変化です。そしてその過程は、今水瓶座の時代に、もう始まっています。そして多くの人の人生は、愛の道を切り開く事に捧げられるようになるでしょう。

我々の過ちは、愛の方向を自分自身に向けている事です。この間違いを犯していない人はいませんが、よく考えない為に、また純粋な愛を求めない為に、自分のどこが利己主義なのかわからないのです。一生懸命働き、経験を積み、良かれと思って行動している事に、本当に光が多く差し込んでいるか、一度立ち止まって考える時期が来ています。改めて、自分の環境と問題を眺めてみましょう。

今、愛が人類に最も接近している時代であるからこそ、欲望を、一つ一つ純粋な愛に置き換える粘り強い訓練が必要です。意識を研ぎ澄まし、何度も方向を修正しながら、愛を表す為に生きるなら、人類から愛が解き放たれる未来は遠くないでしょう。

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