Planet and Ray
惑星と光線
惑星と光線 | 2019-08-23
水星 その① 「憧れの息子」
水星は、ギリシャ神話では「ヘルメス」と呼ばれ、別名「泥棒の神」、それが転じ「商売の神」として崇められています。ゼウスの末子で、天才とか策略家と呼ばれた神です。何故なら、生まれてすぐに、アポロンが飼っていた50頭の牛をいとも簡単に盗んでしまったからです。その出で立ちは、皆さんも知っての通り、翼のはえた帽子とサンダル、二匹の蛇が絡み合った杖(ケリュケイオン)がトレードマークです。
ギリシャ神話の神々は、ゼウスが天、ネプチューンは海、プルートが冥府など、活動する範囲が決まっているのですが、何故かヘルメスだけは、神出鬼没、どんな世界にも現れる事ができるので、神のメッセンジャーの役割を果たします。幼い頃から賢く、自由で、誰よりも早く移動し、何ものにも縛られないヘルメス。面白い事に、泥棒とか知能が高いと称されても、愛深いとは描かれていません。独特の地位を持つ神=水星は、どのような星なのでしょうか。
水星人は、「黄色い生命点の生徒」と言う風変わりな名前がついています。この役割は、地球では、「緑の葉を活性化し、黄色へと成熟させる」と説明され、自然界では、秋になると緑の葉が黄色に色づく現象に表れています。実りの秋に向かって栄養を蓄えると、葉は緑から黄色に変化していきます。それは人間にとって「知性の成熟」を象徴しています。
例えが植物になっていますが、水星は植物界や動物界には働かず、自意識を持った人間にしか影響を与えません。水星は、「宇宙マインド」と関係する非常に知性の高い星で、太陽系のあらゆる純粋知性を成熟させます。勿論、地球人類の知性も、水星の刺激を受けて進化してきます。人類は、緑色の「活動知性」=第3光線の代表なので、水星の刺激を受けて成熟すると、霊的に緑から黄色に変化していく事を表しているのです。
人類の知性は、釈尊が至った直観=ブッディ意識まで進化する事が目標です。ブッディ意識は黄色で表現されますが、それはまだ私達が見た事が無い美しい純粋な黄色、光を完全に反射した色だと言われています。その純粋な光の刺激を受けると、緑の植物である人類は、成長してやがて純白の三つの花を咲かせます。
さて、ギリシャ神話の中で、水星は神のメッセンジャーです。ギリシャ神話の神々は、それぞれ惑星や星座を象徴するものです。つまり、水星が飛び回っている場は、太陽系です。ですから水星が伝える情報は、個人的な人生の細々した事情や指示ではありません。それは人類全体の進む方向、太陽系の法則に関係します。神話でも、ヘルメスはアポロンから占星術を教わっています。直観とは、基本的に太陽系の情報を理解する力なので、水星は個人を越えた高い価値観と知性を育てようとしている訳です。
元々水星の起源は、太陽系を超えた宇宙メンタル界の次元です。人類の魂より遥かに発達した知性なので、私達が目標とする魂的な愛は、既に達成されているので、自由な力で働く事ができる立場です。それが神々から盗みを働く「泥棒」と呼ばれる理由です。
さて、そんな高度な星ですが、実は私達人類は、完成するとやがて水星になると言われています。つまり水星は、釈迦で代表されているように、私達人間の完璧な未来像なのです。その為、地球人にとって「憧れの息子」と言う別名を持っています。遠い将来、私達も地球を卒業して、水星人となる日が来るかもしれません。