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魂の表れ

2016-05-01

自由を求める

 ① 自由と苦痛

皆さんは今まで「自由になりたい!」と思った事はありますか?それはある事から解放されたいと言う思いで、家族、住んでいる環境、国、仕事、仲間、病気、自分の嫌な部分、人種など、多種多様な事柄が挙げられます。人は体や意識が束縛を受け、抵抗や苦痛を感じると、そこから脱出すべく「自由」を願うようになります。ある意味、自由と苦痛はセットです。

抵抗や苦痛は、二つの意識がぶつかり合う事で生まれます。状況や環境に疑問も持たず、甘んじていたら、抵抗は起こりません。新たな考えや理想がなかったら、苦しみは生まれないのです。元々、二つの意識のぶつかり合いを生む源は「魂」です。何故なら、魂は人格に比べて完全に自由で才能が豊か、真の理想を与え、人格のように環境の束縛を受けません。人格がそのような魂の自由を感じ始めると、自分がいかに窮屈か、限定されているかがわかり、苦痛を覚えるようになるのです。魂のように自由になりたい。これが自由を望む源流です。そして人は自由を求める事で、努力や変化を望むようになり、変貌していくのです。

 ② 自由は成長の証

「そりゃ~、誰でも自由は好きでしょう」と思いきや、少し前まで人は自由を求めない長い時代がありました。一昔前を考えて下さい。多くの庶民は士農工商に従って、殆どの人が余り疑問を持たず、家の身分や仕事を継ぐ人が多かったので、江戸時代は秩序が保たれました。また生まれた町を出ず、旅もしないで一生を終える人もありました。男女や身分の不平等に対して、人権を訴えて反発する事も少なかったでしょう。諦めていたか、方法がわからなかったのか、想像力が働かないからか、とにかく生まれた環境を受け入れ、反抗する人が少なかったのです。

自由を求める意識は、個人意識が高く、個別に考える力や知識を求める力、向上心や想像力が無いと生まれません。反抗期を経て精神が自立し始め、大人に育っていく時、好き勝手に振舞うのは欲望の暴走ですが、その反抗と自我の強まりが、精神的自立へのきっかけとなります。自由を求める意識は、長く困難な旅ではありますが、魂への出発と言えるでしょう。

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