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手紙:2017-02-09

春の祭典で出会う為に

祈りの姿勢

毎年春を迎えると、私達は真っ先に「ウエサク祭」を思い出します。一年のうち最も重要で大量の霊的フォースが放出される期間がウエサク祭です。このエネルギーの祭典は、各宗教や習慣によって呼び名が違っても、昔から様々な形で「祈り」の儀式として、受け継がれてきています。

多くの皆さんが心を一つにし、善意を持って祈りの祭典に参加しようと、精神的準備を始めていると思います。今回は改めて「祈り」の儀式で重要な意義や訓練すべきポイントを考え、私達の熱意がより洗練されて効果的になるよう考えてみたいと思います。

「祈り」は高次元と現界(人格)を意識の引力で結ぶ科学的な方法です。人間は精妙な電磁場的生命体なので、良くも悪くも、意識を向けた世界と引力が結ばれ、その次元のエネルギーで物事を現実化します。これを魂の方向、高次元に向けるのが祈りです。では、人類の為、地球の為、結果的に自分の為になる祈りには、どのような要素が重要でしょうか?それは次のように挙げられます。

各体(体、心、頭)の整列

色彩の純化

方向の統一性

まず①「各体の整列」とは何でしょうか?これは人格の統一を意味します。人間は肉体、心、知性と言う違った種類の次元を抱え、人格ができています。各体は性質や特質が違う為、発達度合いが異なったり、向いている方向や形が違い、相互の関係がギクシャクしているのが普通です。このバラバラ状態が原因で、目的に集中できなかったり、能力が出なかったり、自分が何を考えているかわからず、混乱します。人格が整列しているかどうかは、目的を持って行動した時、三体が喜んで集中するかどうか、各体から能力を出せるかどうかでわかります。何かをしようとした時、体と心と頭が抵抗したり、邪魔し合ったりせず、必要な能力を発揮して取り組むのは中々難しい事です。

長い転生で、人生の大半は、この三体の整列に向けられると言っても過言ではありません。日常生活の仕事や問題、理想や人間関係などを通じて、私達は人格を支配し、整列させる難行に取り組んでいるのです。

整列状態を最も邪魔するものは「想念」です。人間には神の愛の法則が働いている為に、磁石のようにあらゆる想念や物質、思想を惹き付ける「引力」が自動的に働いています。これを無意識に働かせていると、その人の体、心、知性がそれぞれ勝手に、無差別なエネルギーを惹き付け、不要な荷物のように蓄積されてしまいます。やがて各体の空間は想念と言う荷物に溢れ、混沌となって、意識の道筋がどこかわからなくなってしまうでしょう。

目的に向かった時、人格が一点に集中できる事は、利己的であっても、愛他的であっても、同等に進化した能力です。私達は人生を通じて、何を成し遂げたという結果より、実はこの能力を訓練しているのです。何故なら、魂は、全人格が融合して成し遂げた最高の焦点と接触するからです。

諸体の純化

新時代の祈りの目的の中に、より優れた魂達を地上に迎える準備があります。世界が進化する為には、より進化した魂達が生まれて、活躍できる世界を準備しなければなりません。その為に世界の進化や救いを求めるあらゆる叫び、理想、熱誠、夢、希望が、我々の中から呼び起こされる必要があります。これが偉大な存在と優れた魂達を地上に惹き付ける誘引の原動力となるのです。

より優れた理想や希望を持つには、我々の世界を霊的に見て②「色彩的に純化する」必要があります。世界の空間が余りにも汚染され、毒々しい色で振動率が重いと、魂と波動が余りに違う為、魂との交流が邪魔されるのです。実際、地球では環境汚染が酷く起こっていますが、これは象徴的な現象でもあります。では霊界の汚染は何が原因で起こるのでしょうか?それは意識の汚染です。私達が何となく重い、暗い、毒々しい、荒々しい、下品、汚いと感じる事柄や想念は、霊的な不純物をたくさん含んでいるので、各次元が曇り、魂の光が地上まで通りにくくなります。

この汚染は、私達一人一人が意識の浄化を心がけ、公的にも周囲に呼びかけ、互いに援助し合う事で、浄化が進みます。具体的には、肉体の清浄化、活発さ、怒り、悲しみ、恐怖などの暗い感情の克服、自己中心的な考えを捨てるなど、美と透明感を感じる意識を、自分と人々の中に育てる事です。人格に美徳を育て、愛を実践する事で善が積み重なると、一層浄化につながります。何が美で何が醜いか、自分の感覚を研ぎ澄ませて識別しなければなりません。

浄化とは消極的で無力な力ではありません。どんな優れた才能を持っていても、自己中心的で不純な要素がある為に、進化の道を大幅に遠回りしなければならない人々が多くいます。無欲と浄化は、弱い意志や浅はかな愛で達成できるものではありません。純度の高さ、各体の意識の透明度が、愛の通路、鏡となり、魂を正確に映しだす近道となるのです。この単純な意識の実践は、どんな秘法を実践するより強力な進化を生み出します。日頃の生活の中で、このような心情と考え方を心がけ、瞑想時には美しく透明な心で臨める自分を心がけましょう。

組織化の意味

現在、社会現象の一つとして組織の巨大化、吸収、合併、民族や国家のグループ化が急速に起こっています。これは魂がグループ意識を養う為、社会と世界情勢が、その訓練場となっている為です。地球は遠い未来、より大きな目標に向かって、自然界と人間を組織化し、総動員する目標を持っています。その為、個人の目標を犠牲にし、より大きな組織やグループの重要性を理解する事が大切なのです。

これが③「方向の統一性」です。今まで、自分の為に目的を持ち、懸命に行動してきた人格を、より大きな目的に向けて、協働させる訓練です。今や世界は見えないネットワークで繋がれ、肉体的に出会わなくても、同じグループに属し、時空を超えて、価値観を共にする事ができます。活躍する分野が違っても、進化に向かっていればネットワークがつながり、協力し、何かを成し遂げる事が可能です。自分が社会の一員である事を自覚し、グループのより大きな価値観に目覚めると、人は自ら理解した上で、自分を犠牲にするようになります。この理解が具体的には愛の実践の土台となるでしょう。何故ならグループ意識の進化が、魂の方向を掴む焦点となるからです。誰も見た事が無い「人類」と言う生命集団を理解し、全体がより良く生きる方向を考える、これが唯一私達の意識を統一させる方向なのです。

聖なる引き上げ

さて、この三つを訓練し、実際大いなる魂と向かい合うように祈る時、私達はどのように臨んだら良いでしょうか。自分の欲望に従って行動する仕事や目的は、具体的であり想像しやすく、メリットがあるので、やり易いでしょう。しかし何がメリットかわからない瞑想をする時、どうしたら集中できるでしょうか。それには、実験的に魂があると仮定し、信仰心を持って祈る姿勢が大切です。その焦点に向かって、意識の引力を静かに引き上げてみましょう。掃おうとしたり壊そうとすると、かえって反動が起こり、意識状況が悪化する可能性があります。何物にも触らず、抵抗せず、ただあらゆるものから引力を離して、高次に引き上げる意識を訓練するのです。

一生懸命にならず「無抵抗に離す」、無視するのではなく「興味を持たない」これが「聖なる無関心」の入り口となります。感情的にならず、一生懸命さを忘れ、自分の考え方にも固執せず、個人の世界からできる限り自由になる。この訓練によって現実界との引力から自由になる孤高の意識状態が確立されるでしょう。

長年進化をテーマとして学んできた私達は、実際出会う事はなくても同じ世界に住んでいます。更に肉体を持たない存在とも、世界は共有されています。皆さんの中に祈りの磁場が復活する事、これが春の命の祭典となり、復活祭となります。その中に進化を信じる全ての人が、魂生命として生き生きと蘇る…。最後に、私達は次のような先人の言葉を思い出します。「人間は全ての人が夢を見ます。どんな夢も真実かどうかは確かめようがありません。だからこそ、この壮大な夢に賭けてみませんか?」。

以上の事柄を注意深く点検し、内的に正確でパワフルな祈りに役立てて下さい。そして同時に奉仕活動の実践も心新たにスタートして下さい。純度を高め、静かに春の祭典に参加しましょう。あらゆる善を呼び起こし、総動員させ、結集しなければなりません。周囲の人々にも呼びかけ、祈りの磁場を広げてください。全てが新しく始まる春、霊界では偉大な存在がその応答を待っています。

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