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手紙:2017-12-08

法則としての祈り

生来の信仰心

現代の日本では、殆どの方が宇宙から眺める地球の映像を見た事があるでしょう。人類の代表として宇宙に飛び立つ人達のお陰で、私達は地球の姿を見る事ができる恵まれた時代に生きています。太陽系の小さな惑星=地球、皆さんは地球の姿から、どんな事を感じますか?何度見ても、その美しさや崇高さには圧倒されるものがあります。実際、多くの宇宙飛行士が、地球を見ると、「地球の命」あるいは「」のような存在を感じ、人生観が変わると言います。これは単なる感傷的な心理状態なのでしょうか?

人は人間同士をはじめ、生きている生命体の存在を見ると、考えや心の状態を感じ取る事ができます。だからこそ地球を眺めると、生きている地球の意思が感じられるのです。多くの人が同じ直観を受け、心に感動と畏敬の念を抱くのは、それが地球の意思だからと言えるでしょう。その感化力は、言葉を越えて全ての人を魅了する偉大な力です。

何も宗教を信仰していない人や、日頃神の存在を信じていない人であっても、生涯一度は祈ったり叫んだりした事があるでしょう。人間は否定しようが肯定しようが、「神と祈り」を無意識に知っています。科学の時代、「祈り」は非科学的で、何の威力も効果も無いように思われがちですが、実は「祈り」のシステムは、古代、地球が決めた法則の一つなのです。急速に変化する人生、緊迫した世界情勢の今、今回は皆さんと祈りの意味について、考えてみたいと思います。

祈りの意味

「地球の神」とは宇宙的な存在と繋がり、地球生命の進化を司る意識体です。太陽系の中で、遥か昔、まだ地球が進化のラインに取り込まれていなかった時、その存在は偉大なる犠牲を払って、自らの意志で地球に降り立ちました。そして進化の為に人間が創られましたが、その時、神が自分の意志で進化の責任を負ったように、人間にも自由意志を与えたのです。ですから人間は一人一人が神に似て自由な意志を持ち、自分で考え行動する力を持っています。

進化とは、より高いエネルギーを取り入れて、周囲に伝達、分配する事です。地球の神も、より高い宇宙と繋がり、指導とエネルギーの供給を受けながら進化している最中です。そこで地球は人間にも、より高いエネルギーを受けるシステムを創りました。それが「祈り」と「瞑想」です。

自由意志がある人間が、自らの意志で、自分より高度な存在を求めるようになった時、「応答する」事に決めたのです。私達が神を求め、見えない存在を敬う瞬間、神との間に愛が繋がり、「祈り」が生まれます。自分より優れた存在を認め、繋がり、学ぼうとする謙虚さは、道徳的な意味でなく、進化の重要なシステムなのです。

自分に満足し高慢になったり、自分の力でできない事は無いと確信している者には、祈りは必要ありません。また自分だけが幸せになる程度なら、神も応答する必要はありません。問題にぶつかった時、本質について真摯に考える者、周囲を助け、命を分かち合う為に、力の限界を感じ、神を求めるようになった者、そのような人には、地球は祈りを通じて、愛を分配する法則を創ったのです。

祈りへの応答

では、地球はどのように応答してくれるのでしょうか。「求めるものには応答する」これが原理であり、祈りの意味です。しかし、その応答を発見するには、進化の方向や、応答の仕方について、理解する必要があります。これがわからないと、祈っても何も起こらないと思い込み、神への信仰心を失ってしまいます。

現在人間の知性は急速に発達し、自分の力で考え行動できる人が増えています。知的に発達すれば、当然自己中心的で、自分の考えや力を過信し尊大になるでしょう。そのような人の祈りは、個人的な問題、不満足、ストレス、病気などからくる苦しみからの解放です。ところが、神にすがり、祈っても、魔法は働かず、問題は取り除かれたり、急に解決する事はありません。祈っても、望んだような状況の変化は何も起こらず、一体どこに神の応答があるのかと否定的になる、そんな思いは誰でも経験した事があるでしょう。そのうち、神など人間の想像が作り出した幻影に過ぎない。あるいは、非科学的に信じる事で、騙されてはいけない。そんなふうに考えるようになり、私達は祈りから次第に遠ざかってしまいがちです。

地球の応答、神の助けを認識する為には、地球が人類にどのような進化を指導しているか、知る事が大事です。それは「自立して考える力」を養う訓練です。単なる知識の記憶ではなく、現象の背後にある意味を理解したり、原因を追究する知性を訓練するよう求めているのです。その知力によって、感情や感覚的な苦しみから解放される道に案内する事が、重要な応答なのです。

問題が起こった時、よく考えずにその場の処理だけで済ませたり、人に助けてもらって終わり、原因を考えずに生きていると、同じ性質の問題が形を変えて繰り返し起こります。「何故こんなに苦しいのか?」「どうしてこんな目に遭うのか?」この思いの中で、苦しみを取り除く方法ばかり求めるのではなく、自分の考え方を見つめ、何故辛いのか、その現象を引き起こした意識は何かを理解するのが「考える力」です。

同時に今人類に課されているもう一つの法則があります。それは「分配」「分かち合い」の法則です。「利己主義」とは、自分だけの利益に執着する意識です。「分配」の法則が課せられると、個人で利益を生む力がある人は、その富と才能を他の生命に与えなければなりません。地球から授かった富と財産は、地球がしているように、全て分配されるのが法則です。その時、富と権力に執着していると、自ずと苦しみは深くなるでしょう。

つまり悩みやストレスは、今現在地球が課している進化に対して、何か間違いがある事を考えさせる鍵なのです。その問題を通じて真の原因を解明できた時、知性は高いレベルに引き上げられ、同時に苦しみから解放される事となるでしょう。「病は仏の慈悲」と言いますが、まさしく苦しみは進化の鍵と言えるのです。このような意識の訓練方法は、結果や形だけを変えて欲しいと願う人には理解しにくく、神の救いがどこにあるのか、わかりにくいでしょう。

問題や苦しみは、進化のチャンスとして法則的に与えられたものです。原因を真摯に考え、内なる神と向き合うなら、その応えはいつでも得られるようにセットされているのです。このような知力のレベルアップが、根本的な問題解決になり、何より苦しみから解放される方法です。苦しみや失敗を通じて、考える力を謙虚に養った人々は、このような応答が、いかに慈悲深いものか、理解できるでしょう。

未来の祈り

私達は何の為に祈るのでしょうか?最初は自分や家族だけの為かも知れません。しかし、地球の神はここに降り立った時から、未来永劫深い瞑想を続けながら、正しい祈りが人類から発せられる事を待っています。神が自ら責任を負う生命の為に深く祈っているように、私達もいずれは自分の為だけでなく、全人類、全生命の為に祈りを発するよう成長する必要があります。

地球と言う一つの宇宙船に生きる私達、全ての生命が進化し「意識が苦しみや悲しみから解放」されなければ、人類全体が幸福になる事はありません。たとえそれが実現不可能な理想であっても、最高の理想を求めなければ、最大の努力とエネルギーを引き出し、最大の成功を収める事はできません。

私達は正しい分かち合いが起こるよう、一致団結して祈る事ができます。どんなに頭の良い実力者でも、人間には謙虚な祈りが必要です。それが地球の法則の一つだからです。祈りを通じて、その効用、素晴らしい力、神の応答を発見する知力を訓練しましょう。祈りを発し、神と繋がり、そして分配する為に行動する。この中で、私達は無数の応答を発見できると確信しています。新年に向け、純粋な祈りが人類から発せられるでしょうか。地球は、危機を通じてその瞬間を待っているのです。人類の中に、地上において、地球の意志を発動させましょう。

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