第１光線は、あらゆる存在と人に働いているにもかかわらず、理解しにくい光線です。アニメ「もののけ姫」のしし神様が、命を与え、命を奪う存在として描かれていますが、この光線の特質と近いものがあります。あらゆるものに命の脈動を与えて存在せしめ、また吸収する光線だからです。私達人間には、「生きようとする意志」「自己統一し自分を表現しようとする意志」として働き、「私」を認識する自意識は、この光線から発しています。

第１光線は、「意志と力の光線」と呼ばれるので、人に働いた場合、愛が欠けると、必ず破壊的な人格となります。その為、他の光線と比べて、人類の知的な愛が充分育つまで、個別に働くチャンスは少なくなっています。しかし、歴史的に時として第１光線を体現する人達が表れます。例えばヒットラーやネロ、アレキサンダー大王、チンギス・ハーンなど、強烈な支配力を持ち、自分の理念を実力行使する人達です。政治は、この光線の分野ですが、第１光線の表現が未熟な為に、一番遅れた分野となっています。

それでも、今、人類の人格は急速に進化したので、第１光線を統合光線として表現する人達が現れてきました。その人達の特徴は、強い個性と才能、稀に見る実行力、そして怒りです。つまり、どの分野であっても、先駆者や開拓者、リーダーとなる人達です。自分の行く手を阻まれたり、反対されると、火のように怒り、誰の言う事も聞きません。その代わり、目的や理念を具体化する並外れた行動力と、諦めない不屈の意志がある為、愛されるより尊敬される人格となるのが特徴です。

このような人々は、生涯どうしても愛を学ぶ必要があります。そうしなければ、人間関係が破綻し、実力があっても発揮する場所が無くなってしまうからです。アップル社の創始者でありながら、会社を追われ、また復帰した天才スティーブン・ジョブズ氏は、第１光線を持つ人物かと思われます。優れた直観でアイディアを捉え、自分の考えは絶対的に正しいと思い込むので、妥協や意見の調整が大変難しくなります。強い生命力は、火山のような怒りとなるので、周囲の人は誰も止めようとはしないでしょう。

現在、多くの人が才能を発揮し、協力を重視し争いを好まない為、愛が欠ける第１光線の表現は、社会的に不適合となったり、周囲から人が去ってしまう恐れがあります。この光線を持つ人は、人類と地球に対しての謙虚さと、真の信仰心が必要です。世界は愛の関係で成り立っている事や、もっと偉大な神の理念と法則がある事を理解する必要があります。この光線を持つ人は、社会的に尊敬される人物として成熟する事と、人類に対して責任を果たすよう尽力する事が大事です。