Appearance the soul
魂の表れ
2016-11-25
自意識
①人間は自意識過剰な生命体
動物を進化させる一つの手助けは、自分の名前を覚えさせる事です。犬や猫を飼ったら、名前をつけ、呼んだら反応するよう躾けるのは「自分を認識させ、自意識を持たせる」訓練です。この訓練は、動物の進化を大いに手助けする第一歩です。自分の名前を自覚できる動物は、急速に進化する種族です。
人間は、霊的に「自意識過剰生命体」と呼ばれていますが、それは進化している証です。自意識は魂が物質界で働く為に、人格に与えた焦点だからです。今回は真の自意識とは何かを考えてみましょう。
自意識は、勝ち負けや存在誇示のプライドと合体すると、トラブルを生む厄介なものとなりますが、元々の働きは、自己存在と周囲の環境を認識する事です。人間の成長過程を考えてみましょう。人は成長するにつれ、肉体、心、知性の各次元で、「私」を認識するようになり、様々な環境と人を認知する範囲が広くなります。そして三つの私を支配して「一人の私」を意識すると、人格の統合に成功した大人に成長します。この統合した一つの自意識が、魂と結びつく焦点となるのです。
②統合した自意識の特徴
では、統合した人格の自意識とは、どのような特徴があるでしょうか。①自分が何をしたいか目的が明確。②人生の方向がはっきりしている。③それに沿った実際的計画と生活態度が自分で決められる。④活発に活動する能力がある。いかがでしょうか?皆さんは真の自意識に至っていますか?まだ成長の余地ありですか?
人間の自意識は、魂のエネルギーを分配し、物質界を改善し、進化を助ける為の大事な焦点です。魂は物質界に奉仕する使命を果たす為、自分が働ける点を、自意識として作ったのです。ところが私達は、しばしば体と心と頭がバラバラで、自分が何を考えているかわからない時があります。人生で何をしたいのか、自分の使命とは何かもわからず、迷います。これはまだ自己支配が完成しておらず、真の自意識が不明確な状態なのです。
統合した自意識を持つと、最初は利己的で競争心やプライドが高く、協調性が少なくなりますが、才能があり、積極的で目的を実現する実行力が揮えるようになります。自分に命令して、やるべき事を決められ、失敗も成功も経験する事ができる点では、優れた人格である事は間違いありません。ただ、方向が物質界つまり自分に向いているので、自分が頂点に立っている点に限界があるのです。
③自意識の拡大
その限界点を突破すると、人間には魂を自覚する自意識が生まれてきます。ここで意識は、初めて二重になり、利他的な愛の必要性を感じるようになります。自己愛だけでなく、人々に責任を感じ、世の中の役に立ちたいと言う博愛が目覚めてくるのです。この愛によって、自分は人類の一員であると言う自覚が増し、魂的な自意識が強くなっていきます。自己愛は、次第に薄れていくでしょう。
更に進化すると、地球生命全体に対する愛が芽生えてきて、自意識は霊的な次元に到ります。人間の自意識は、次元を拡大して行く事で、無限に進化する性質があるのです。人は「私」を通して、自分も偉大な神の一部であると知るのです。
今、私達の自意識はどの次元で働いていて、どこを目指しているでしょうか?客観的に周囲を認識しているでしょうか?目的を明確にし、自分を支配しているでしょうか?自意識は、魂が人に与えたものです。統合し、純度を保って拡大していけば、魂に至る道を教えてくれるでしょう。