Appearance the soul
魂の表れ
2018-02-23
破壊力
①破壊力は人間の特性
皆さんは自分の事を破壊的な人、あるいは創造的な人、どちらだと思いますか?人間は地面を掘り起こし、森林を伐採し、海を汚し、環境破壊を重ねて来ました。自然のみならず、同胞の人間に対しても虐殺や戦争の歴史を繰り返し、世界は今もその脅威にさらされています。どうして人はそんなに破壊するのでしょうか。破壊者と言われると、悪い印象ですが、この問題には、実は人間の本質が隠されています。
ところで、ノーベル賞の創設者ノーベルは、凄まじい破壊力のダイナマイトを発明した人です。天才アインシュタインの発見は、原爆の素地となりました。キュリー婦人は、自ら発見したラジウムに被爆し、白血病で亡くなりました。世界で最も有名な科学者達は、鉱物界の破壊力を見出した人達です。
人類の並外れた破壊力は、愛が欠けた知性と利己的な欲望が原因と考えがちですが、実は破壊力は魂から与えられた力の一つであり、人間独特の特性です。何故愛が本質である魂は、人に破壊力を与えたのでしょうか。
②意志は突破する力
人間の真の進化は、意志の強さです。意志とは、地球の頭脳が目指す進化を理解し、魂の理性で実現する力です。その為には、どんな障害物があっても突破し、その方向に前進し続けなければいけません。進化に障害となるもの、古いもの、意識を束縛するものがあれば、破壊して進むのが人間の強さです。魂は愛と言われるので、優しく何でも包み込む温かさと思われがちですが、実は強烈な破壊力を持っていて、進化を阻む悪に対しては断固として闘います。命の進化には、前進する破壊力が必要なので、人間には並外れた破壊力が備わっているのです。
では私達は破壊力をどう使うべきなのでしょうか。進化は、常に古いもの、以前完成されたものを壊して、新しい創造を始めます。特に悪い事をしていなくても、留まって以前創ったものに固執すると、退化=悪になる事があります。技術の進化などは具体的な形があり、分かり易いですが、真の進化は意識の中で起こります。変わりたくない、面倒くさい、進みたくないと、留まる心を破壊して、より高く広い世界に意識は拡大していくものです。つまり、内的な意識の殻を破るのが、魂の破壊力です。正しい方向に働けば、意識が魂に戻って行くのを助けるので、真の愛には、破壊力が必要です。
③運命を切り開く
ところが、人は自分の内的な闘いではなく、保身の為に、外に向かって闘い、周囲を破壊してしまいます。自分は変わらず、周囲や相手を変えようとしたり、目に見える力だけを強めようとするのです。自己保存は、最低限生き延びる為に必要ですが、不必要な自己主張や欲望、権力の拡大を求めて人と闘っていると、それこそ環境汚染や戦争状態となります。一見思い通りになって力が増したように感じますが、意識が引き寄せた物質の壁に囲まれ、魂的には窮地に陥ってしまいます。
破壊力は、頑固さ、意地、感情の激しさとは違います。寧ろ感情的には穏やかで安定した意識の方が、魂エネルギーを受信し易いので、本当の強さを発揮し易くなります。破壊力を、何の為に、どこに向かって使うかで、真の運命が決まります。多くの人は、破壊力が不足し、怠惰になって悪=進化に抵抗する場合が多いものです。神に与えられた破壊力は、個人的にも人類としても、使い方を良く考えて、運命を切り開きたいものですね。