Time and Astro
時代と星座
時代と星座 | 2017-05-12
魚座と第6光線
第6光線は、私達に一番馴染みのある赤色。と言うのも、以前太陽が長い間入っていた星座が魚座で、赤はその主要光線だからです。その時代を通じて、私達の感性や欲望は、急激に育っていきました。魚座には、他にも愛と智恵の藍色や、意志の青、活動知性の緑などが溶け込んでいますが、今回は一番影響力の強い第6光線=赤色について説明しましょう。
赤と言えば、情熱や血を想像するように、第6光線は、感情や欲望を刺激する光線です。感情や欲望が肥大すると、苦しみや利己的な強欲が生まれますが、第6光線の目標は、その力を昇華させて想像力を生み、目的や理想を描く力に変える事です。人は目的や夢に向かって、自分と闘い、惰性や不純な意識を犠牲にする事を学習したのです。
魚座の人が、仕事や趣味に、時間もお金もつぎ込んで、徹底的に取り組む姿勢や、誰かを助ける為に自分の人生をかける程のめり込む力は、第6光線の影響です。結果を重んじる星座や光線もありますが、魚座の人にとっては、そこに向かう情熱、何もかも犠牲にして集中する意識が一番大切であり、結果は二の次だというのも、際立った特徴です。この特徴が行き過ぎると、浮世離れした非現実的な人が生まれる事も多々あります。しかし、何かに向かって燃えている事、脇目もふらず一生懸命になっている姿、壁を乗り越えようと闘う勇気、人はまずここから成長するもので、熱誠が無ければ、何事も成す事はできません。
そんな訳で、赤=第6光線は「理想と献身」の光線と呼ばれています。その影響で、私達は一人一人が強い欲望を持ち、自立して夢を描き、仕事や才能を得られるようになったのです。一方で、民族や国家にも働き、理念や信仰の違いから、大きな対立を生み出してしまいました。
その対立の一つに宗教戦争がありますが、人間に宗教心や信仰心をもたらしたのも、第6光線の働きです。魚座の人は、神秘的な世界に興味を持ち、更に特定の宗教を深く信仰する人も多いでしょう。それは、第6光線のもう一つのゴール、魂意識の誕生が影響しているからです。魂への扉は、神秘を感じる感受性から始まります。知性が未発達だと、妄想や八卦、占いなどを狂信する霊媒のようになりがちです。しかし、理想を描く力が知的で健全ならば、やがては全ての人に崇高な意識=魂がある事を発見するでしょう。第6光線は、目に見えない世界がある事を教え、純度の高い感性や純粋理性による哲学や宗教を通じて、魂が人間の本質である事を教えました。
現在私達の信仰心は、特定の神よりも、地球生命や人類全体、より良く生きる為の価値観や意識への探求に変化しています。知性が発達し、人々との関係や、自然界との関係を理解できるようになった私達に、第6光線は何を教えてくれるのでしょうか。それは、意味と識別です。物事には原因があり、現象の背後には意味があります。これを考え、直観的に掴む事ができるのは、まさに魂意識の働きです。人は何故生まれ、何故生きて、何故死ぬのか、どこに向かっているのか、人間の本質とは何か…?意識が魂に近づくと、本質的に価値がある事と無い事、刹那的で個人的な欲望と、永遠に変わらない価値が、正しく識別できるようになるのです。このような理性的な識別力こそ、霊的な意識であり、死んだ先祖や亡霊を見るのが魂意識ではありません。
第6光線は狂信的になると、宗教や理念の違いで排他的な対立や強制を生み出します。全ての人に同じ感覚、考え方、正義を強いるのです。これは背後の意味が理解できない古い時代の産物です。様々な違いは、見かけ上のものであり、人類の使命や尊さは同じです。この理解が完成すると、第6光線の赤は、やがて純白へと変化していくでしょう。