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時代と星座
時代と星座 | 2017-11-10
乙女座と第6光線
魚座で取り上げた第6光線=赤ですが、今回は乙女座を通じて、更に学んでみましょう。第6光線は、心と欲望を刺激して拡大し、質を向上させる働きがあります。「こうしたら、きっといい事がある」、「こうなったら素晴らしくなるに違いない」と想像力を高め、人を行動にかき立てます。これは乙女座の夢と憧れを抱く力、向上心、改善力を生み出しています。
「夢や憧れ」を抱き、夢見る乙女の色で連想するのはピンク色でしょう。ピンクや桜色は、赤が変化した色です。情熱や欲望を表す赤は、良い目的を持ち、知識や技術を学んで、知的な方向に進んでいくと、燃える原動力となり、色が薄れてピンク色になっていきます。人はピンクを見るとロマンチックな気持ちや、優しい穏やかな気持ちになる傾向があります。欲望や気分的な望みが具体的な目的になり、その為に向上しようとすると、心が浄化され、幸せで平和な気分になるものです。実験で、囚人をピンク色の部屋に入れると、争いが少なくなり、穏やかで楽しい気分になったと言うデータがあります。
乙女座は奉仕を行う使命があるので、親切で同情深い特質があり、第6光線と結びつくと、助ける為に学ぼうと言う意欲になります。夢や憧れを持つと、情熱の赤は行動する燃料となり、意識が知的に昇華されて行くのです。そのプロセスで、人間の中の自然界(体、心、知性)と、その人が眼を向けた対象が、進化していきます。この変化には、熱が必要です。第6光線は、進化の錬金術を起こす為に、心の熱意を与え、一生懸命取り組む姿勢を応援するのです。
更にこの熱意は、乙女座の凝り性な特質を生み出します。乙女座はイメージ力が高いので、できるだけイメージに近い完璧さを求めて、粘り強く物事に取り組みます。第6光線が、イメージに熱を与え、心や頭にその印象を刻印するからです。この印象がポジティブなら、その人を向上させる若々しい力となり、ネガティブなら心配性や過保護、神経質で排他的な頑固さとなります。求める事に時間も労力も注ぎ込んで献身的に尽力するので、良くも悪くも、乙女座の第6光線は、専門家やこだわりの人を生み出します。
しかし、やりすぎると視野狭窄となり、少しでも違うものに対して、好き嫌いが激しい、排他的になる、どうしても思い通りに変えたいという執拗さになります。これが教育に向くと、親切心や正義感ではあるものの、過保護や押し付け、バランスを欠いたものとなり、人間関係が崩れてしまいます。せっかくピンク色で薄れた赤に、灰色や黒、茶色の汚染が入り、赤から白に向かっていた浄化が、反対方向に進んでしまう恐れがあります。善意であっても、色々な分野の善意、立場が違う正義、異なる美がある事を理解し、自分のイメージが最善で唯一のものであると信じ込まないよう、気をつけるべきでしょう。
人が進化し変貌するのも、自然界に奉仕するのも、熱が無ければ本当の化学反応は起きません。その熱を与え、鼓舞し、正しい方向を与えるのが第6光線です。そして私達の情熱が、最終的に魂へ向かうと、真の信仰心や愛となります。間違った方向に向かうと、カルト宗教や誤った教育を生み出します。乙女座は母なる星座ですから、自分も人も、自然界も、温かい熱で保護し、意識を教育して正しく育てるのが役目です。
時代的に第6光線は弱まっているので、夢や希望を持てない人が増えています。温かさが感じられず孤独になり、行くべき道を見失う人も多いでしょう。そのような人の傍には、静かに周囲を温めて、熱誠を持ち生きている人が必要です。乙女座の第6光線は、無言であっても、養育する温かさとなり、周囲の進化を助けているのです。