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時代と星座
時代と星座 | 2018-01-12
蠍座と第4光線
12星座の中で、最も負けず嫌いの星座と言えば、蠍座でしょう。蠍座の人は一見クールで余り感情的に見えませんが、内には秘めたる強い闘志があります。それは蠍座のキーワードが「勝利」だからです。そして「勝利の質」を高め、変貌させていくのが、黄色の光線=第4光線です。以前牡牛座で、第4光線は「闘争を通しての調和」「芸術光線」と紹介しましたが、蠍座の中で働く第4光線は、勝利とどう関係するのでしょうか。
蠍座の勝負は、アクション映画のように単純な勝ち負けではなく、自分の計算で相手を策略通り動かせた事で勝ちと感じます。それは知能的勝利、自分の考えが正しかったと言うプライドの満足です。蠍座は勘が良く、観察力や洞察力が高い星座です。目的が決まり、獲得しようとするターゲットが決まると、感情を抑え、人や現象を黙って正確に観察します。
そこで集めた情報を元に、自分の望む結果をイメージし、人や物の性質を上手に操作していきます。ここに「芸術光線」の巧の技が生かされているのです。イメージを詳細に描く力、その通りに正確な結果を出すよう、最高の能力で集中する力、執拗にその結果にこだわり、何回でも挑戦する執念は、第4光線の芸術的な性質の表れです。自分の考えた通りにならない事が、蠍座にとっての負けですから、そう簡単に諦めないのが特質です。
牡牛座の場合は、金、物、知識、名誉、資格などが獲得できる事で満足するので、ある意味単純と言えるでしょう。ところが、蠍座の場合の満足は、自分のイメージの正しさです。つまりそれは、知能の高さ=プライドを意味しています。黙ってあの手この手を密かに考え、粘り強く操作してくるので、ある意味、狙われると恐ろしいとも言えるでしょう。
この段階は、一般的な蠍座の状態で、有能ですが、毒がある人間、自分の為に外と闘っている段階を表します。ところが蠍座には、魂から見ると間違っている考え方が動機になっている場合、破壊の力が働きます。それが第4光線の力です。以前説明したように、創っては壊し、新たに創造しては破壊する絶え間ない刺激を与える為、その誤ったイメージを破壊するのです。
究極の第4光線は、神の芸術を創造する力です。神の望む世界を、最高に美しく、正確に創造する為の光線ですから、不完全なもの、毒が混じったもの、醜いものは、次々と壊します。私達人間が、自分勝手な欲望や間違った考えで創ったイメージは、魂にとっても、神にとっても、全く不完全なものなので、当然壊されてしまうでしょう。結局望んだ通りにならない、得ても失ってしまうと言う事が繰り返される運命は、一見無慈悲に見えます。しかし間違いを正す為の破壊ですから、魂に向かう人にとっては、慈悲深い愛の鞭だと言えるでしょう。
蠍座は、自分が望んだ結果を得ようとして、次第に窮地に陥っていきます。ここで持ち前の鋭い勘と知性で、何が間違っていたか、冷静に考えてみる事です。普通は落ち込んで立ち上がれないような状況でも、第4光線の不屈の創造性と美の探求心に刺激されると、また闘う力、向かうべきイメージが湧いてくるでしょう。
大事な事は、外に向かって闘う事をやめる事です。相手が完全に間違っていると言う痛烈な批判、私がいなければ周りは何もできないと言う支配性は、プライドが動機だと気付く事です。プライドは、魂の愛に向かう全ての人が闘うべき最後の砦。自分に騙されず、真の愛を見つけるまで、第4光線は容赦なく、イメージを壊し続けます。この創造と破壊の天使は、私達が正しい愛に目覚めるまで、人間を刺激し、駆り立て、活動させます。闘う対象が間違っていると気付いた時、勝負の質は劇的に変わっていきます。その時、第4光線は、安らぎと美を与える天使へと変化していくでしょう。