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手紙:2024-10-18

進化とイルミネーション

光とイルミネーション

最近の観光スポットには、多くのイルミネーションが使われています。並木道が色とりどりの電飾で飾られ、大規模な絵画が描かれ、芸術と呼べるレベルにまで迫っています。イルミネーションの幻想的な世界は、非日常的な空間を提供し、多くの人を魅了します。

太陽の光を求めるように、人は夜であっても光を求めます。光は生命進化の基本だからです。密教の本に、進化とは「光とイルミネーションである」と書かれています。光とは、異質なものが接触すると、電位が高い所から低い所に降り注ぐスパークです。では、「イルミネーション」とは何でしょうか。イルミネーションの元々の意味は、「暗い所を発光させる事」です。この表現は、大変意義深く進化の本質を表しています。今回は、「イルミネーション」を元に、人類が果たすべき使命について考えてみたいと思います。

東洋では、存在するものは全て神であると言う信仰があります。全存在には、神の生命が宿ると言う真理から生まれた考え方です。しかし、神の生命は、光に反応しにくい物質で覆われている為、最初は隠されていて、外から見ると輝いていません。そこに高い電位として接触してくるのが魂意識です。魂が人に接触すると、中にある生命が活発になり、物質の殻を突き破って光を放ち始めます。まさに、今まで暗かったものが、光を放ち、発光し始めるイルミネーションが起こるのです。物質界に生きる全ての人間は、神の生命を宿していますが、内的に魂意識と接触し、振動を高めて物質の覆いを破る放射が起こる事、これが大きな意味での「進化」と言えます。

人は自然界の光を引き出す

自然界を眺めると、私達はその美しさに心を奪われます。植物も動物も、生き生きとした生命の光を放っています。しかし、地球が始まった頃、自然界はこんなに美しくありませんでした。植物界について例を挙げれば、原初の植物には、花を咲かせる種類が無かったのです。花が無い植物界の美は、今では想像もつきません。と言うのも、当初、植物は光に反応しなかった為、今のように輝いておらず、花も無く、美しくなかったのです。

では、原初の自然界は、年月を経て、どうしてこんなに美しくなったのでしょうか。一つの大きな要因は、私達人間の影響です。人間は自然界にとって、「小さな宇宙」と呼ばれています。人間は、自然界からもらった体に、魂と言うとても高い波動の理知性が融合して生まれた生命体です。私達は魂の指導を受けて、地球の中では最も速いスピードで進化してきました。長い年月をかけて進化した感性と知性の波動は、自然界に関わる事で多大な影響を与え、イルミネーションを引き起こしてきたのです。

人間の体・心・知性は、それぞれ鉱物界、植物界、動物界と自動的に繋がっています。小宇宙である人間全体が進化する事で、自然界は眠っていた生命を目覚めさせ、美を養い、知恵を培ってきたのです。しかし、人間はまだ完璧ではなく、欲望に振り回され、利己的になる為、自然界は無抵抗に大きな被害を受けます。人間のせいで、数えきれない程の破壊や汚染を受けてきたのも事実です。

知性が強くなった人間の波動は、今や自然界にイルミネーションをもたらすか、破滅を引き起こすかまで発達しました。人間は、様々な問題を通じて、自然界への責任に目覚めるべき時期にきています。

環境は自分の鏡

私達一人一人は、自然界だけでなく、多くの人との交流を通じて、互いに強い影響を与え合っています。自然界に接するのと同じように、人の出会いは影響の質によって、善を引き出すか、悪を引き出すか、極端に違ってきます。例えば、最近のSNSでは、たった一言のつぶやきで、大きな反響を引き出す事ができます。善意を募ると、あっと言う間に大きな援助を実現する場合もあれば、反対に攻撃になって尊い命を奪うケースもあります。

人間関係では、お互いに刺激を与え合い、存在から何を引き出すかが問題です。私達は自分からも相手からも、眠っている生命の良い可能性を引き出す事に責任があると言えます。よくある事ですが、親が一生懸命子育てし、良かれと思って尽くし過ぎると、子供から極度の甘えや我儘を引き出してしまう事があります。問題は、表面的な言葉や与える物質ではなく、その根底にある意識です。人から善を引き出そうと思えば、意識が光に向かい、進化の道を歩もうとする必要があるのです。つまり、内在する生命に正しい刺激を与えるのは、まさに光であり、沢山の言葉を尽くす事やお金を与える事だけではないのです。

闇を引き出すのは闇、つまり物質の結果だけ重んじる意識です。環境は自分自身の鏡と言いますが、自分と繋がっている周囲を見ると、それを引きつけた自分の意識、そして、引き出した性質がどんなものかがわかります。意識はエネルギーですから、正確な引力で同等のエネルギーを鏡のように引き出します。もし自分自身や環境に不満があるなら、まずは自分の意識が光だったかを、顧みると良いでしょう。

善を引き出すものとは

人間は、誰でも小さな宇宙、小さな神です。一人の人間の中には、様々な世界、様々な次元、そしてまだ目覚めていない神の生命が存在しています。そして、宇宙全体で神の生命が進化しているように、私達の小さな宇宙でも、内在している生命は、誰でも進化を目指しています。それこそが、生命の本質です。その方向に沿ったエネルギーは、どんなレベルであっても善であり、どんな高いレベルであっても、後退すれば、その人にとっては悪となってしまいます。

では、どうしたら進化の方向を見つけられるでしょうか。ここに、光を見つける一つの指針があります。光は、進化の階段を上がる為に、私達を引き上げる力があります。それはすなわち、この世や自分自身に関する執着から切り離し、意識を自由にさせる力です。もし、私達が「こうでなければならない」、「こうなったら困る」「絶対にこれが正しい」「気になって仕方ない」と言った思いに固執するなら、それは執着であり、動機に物質的原動力=闇が混じっている可能性があります。このような思いを持ちながら人に接すると、思いがけない結果を引き出してしまうでしょう。

単純な原理の実践

まずは、結果ばかりを気にせず、そして個人的な正義や理想などの固定観念に縛られずに、ただ「光」を意識して、常に光と共にあろうとする事が大事です。すると、魂の光は、成長に合わせて、その時必要なインスピレーションを与えます。魂意識は、刻々と変化し前進しているので、普遍的真理は変わりませんが、人類に対する指導は変化します。物質的太陽でさえ、核融合が進み、絶えず変化し、昨日と同じ太陽ではありません。ですから、固定観念や古い理想、固い信念を持っていると、最新の指導を受け損ねてしまう可能性があります。自分の考えを持ちながらも、それに執着せず、常に変化に備えている必要があるのです。

私達はどんな位置であっても、進化を目指しているなら、その階段で繋がっている仲間です。階段は、光が方向を示し、自分の意志と力で上がっていく事に意義があります。周囲の人々を助けようとするなら、自分の中の光を増大させ、正しい刺激を与える事が大前提です。一人一人の放射する生命の光が、階段を上がろうとする人々、階段を見つけようとする人々に、勇気を与え、自分の脚で歩む力を与えるでしょう。

この真理を学ぶに当たって、恩師である木村裕昭氏の言葉を思い出します。「光を見つめ、光に入り、光を放つ者となる」です。魂から見ると、複雑な事情や言葉は後から発生するもので、まずは純粋に光を求め、自分自身が光となる事こそ、自分と周囲を救う道なのです。私達は今一度、この単純で美しい真理に立ち戻り、光を引き出す者として、努力を続けるべきではないでしょうか。

 

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