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手 紙
手紙:2026-03-20
傾聴から愛を学ぶ
積極的傾聴
皆さんは、「積極的傾聴」と言う手法をご存知ですか?相手の話を聞くテクニックで、以前から「傾聴」が流行り、その手法を学ぶ教室もできました。そこを一歩進めて、話を聞くだけではなく、気持ちやサインなどにも注意を払い、適した質問をする事で、相手の感情や考えをより深く引き出す方法が「積極的傾聴」です。受動するだけでなく、相手を理解している積極的な態度を示す事で、より良い人間関係を築く目的があります。これは、精神科や心理カウンセリングから提唱され始めましたが、今は学習能力を向上させたり、組織で仕事の効率を上げる方法としても使われています。
人の話を聞く事は、実は高い知的能力が必要なので、傾聴を正しく訓練すると、知性だけでなく、自分に対する支配力も高められます。それを一歩進め、相互に交流する会話から、創造的な状況を引き出すのは、まさに相互交流の「愛」の力です。今回は、「聴く力」と「質問する力」の意義を理解し、日常から訓練できる愛について、考えてみたいと思います。
積極的傾聴は、主に三つの部門に分かれます。①受容。これはまさに傾聴で、相手の話に耳を傾け、理解する力です。
次は②共感です。これは、心理的に相手の感情に寄り添っている態度を示す事です。心は人との関係で、最初に接触する器官です。批判や優劣を感じていると、相手に伝わってしまい、途端に交流が妨げられます。
そして③質問です。正しく理解している事を前提に、適切な質問で、更に相手の感情や考えを引き出す事ができ、相互交流を確たるものにできます。
交流を邪魔する要素
①~③は言うのは簡単ですが、実行するのは至難の業で、中々できるものではありません。何故なら人は「自分」に意識が集中しているからです。そうなると、話を聞く側でありながら、聞いた途端に自分の考えや知っている情報を思いつきます。そして思いついた事に意識が奪われ、相手の話が聞けない、又は固定観念で聞き始めてしまいます。相手の考えを理解する為には、意見を差し控える自己支配が必要です。
また、話を理解していても、批判や分離感があって、心に寄り添っていない場合、相手は敏感に感じる事が多く、関係に壁ができて交流できません。反対に同情深く同調し過ぎると、相手に没頭したり、知的に理解する力が低くなり、③の効果的な質問や、創造的な状態が築けません。同調だけでは、何かを生み出す関係の手前で止まってしまうでしょう。
③の質問では、質問の内容によって、話を理解していない、あるいはどう思っているかが相手にわかってしまいます。また、自分の意見があり、間違いを正そうとする衝動に駆られると、不快な質問をし、相互交流は難しくなります。
傾聴では、相手を理解する事が重要なので、質問は自分が知りたい事より、相手が話し易くなる質問を考えなければなりません。これだけの事をクリアするには、相当早いスピードで適切な言葉を選ばないといけないので、かなりの知的訓練と自己支配力が必要になるでしょう。
積極的傾聴は、その目的を理解して一貫した態度を維持する事や、知的にも心理的にも成熟する必要がある為、人格を魂的に発達させる訓練に通じます。また、相手とのより良い関係を築く事で、愛の力について、大いに学ぶ事ができるでしょう。
自己確立と愛
今の時代は、自己確立し表現する事が求められるので、才能があり、自己主張する積極的な人達が増えています。ところが、人間関係が上手くいかないと、どんなに才能があっても活躍できず、心理的に病む原因にもなります。今は、人類のテーマが愛である為、自己確立した人は、次に愛を学ぶ更なる課題が加わったのです。人は誰でも自分を理解して欲しいものです。だからこそ、同じように人を理解する訓練が始まりました。まずはあらゆる場面で話を聞き、正確に理解するよう努めると、今までいかに話を聞いてなかったかがわかります。
傾聴は、かなりの忍耐力と自己支配が必要です。自己確立は、自分の目的や夢などの実現で成されるので、ある種、利己的に集中し続けなければいけません。一方、人の話を正しく理解するには、自分への集中を止める必要がありますが、長年の癖で、その解除は短時間しか持ちません。私達の人間関係は、自分を中心に人と繋がっていたので、自分が認められないと、関係が成り立たないように感じて不安になり、余計に自分の意見を主張したくなるものです。つまり、私達は相互に理解し合い交流する人間関係を、まだあまり知らない為、一方的な主張をしたくなるのは、当然の事かもしれません。
自分は、多くの人の中の一人であると言う関係の捉え方は、これからの時代が求める新しい関係です。正しい事を相手に意見する関係だけが、人間関係ではありません。私達はまず、愛をベースにした交流は新しいものなので、知的な人でもわかっていない事を知る必要があります。その関係を体験する為、積極的傾聴を始めると、新しい感覚と価値観が目覚める可能性があるでしょう。
愛の繋がり
ネットの普及により、情報が世界を駆け巡るようになり、私達は世界中の様々な現状を、瞬時に知れるようになりました。そして、遠く離れて会った事もない人と、同じ情報や趣味、楽しみを分かち合う事もできるようになりました。この繫がりは、霊界の愛が人類に急接近している為、人は無意識ながら愛に反応し、互いを知りたい、同じグループで繋がりたいと感じるようになったのです。優劣により、勝つ事で制圧するような一方的な関係は、既に過去のものになりつつあります。人類は、優劣より愛する事に傾き始めたのです。
その流れを受け、私達は今、家族や友人、仕事の仲間など、出会っている人達との関係を、「構築し直す」時期だと言えるでしょう。それは最初、意識の中から起こります。「私を理解して欲しい」「私の言う事を聞きなさい」と言う立場から、「人を理解する」立場へ、大人の成長を遂げ、相互に交流し易い土台を作る練習を始めたのです。
この作業の中では、見えない引力=愛が相手と繋がっていくものですが、愛は知的に判断し結果を出す力とは別のものです。本当に繋がった後、相互に交流が起こると、知的な能力だけでは理解できない新たなものが生み出されます。それは一人で成し遂げる創造とは異なるものだと気付くでしょう。そして、そうなった時、自分は今まで愛を知らなかったと気づくかもしれません。
愛ある知性の練習
自分一人の中で成長した知性は、自分の目的に合わないものは、価値を感じません。どんなに知性が高くても、自分しか知らない為、人の話が聞きにくいのです。それに対し、愛は人類全体の進化を目的としているので、多くの人の「意識」を理解する事が大前提です。また、一人の人間は、様々な次元に意識が働いているので、肉体的、心理的、知的、魂的、霊的と、様々な次元まで理解するには、相当の努力と時間(転生)が必要です。そう簡単に理解が完結する訳ではありません。愛の道は、とても広く深いものなのです。
私達のこれからの進化は、愛が基調になります。その能力はまだ蕾状態で、開花している人は多くはありません。しかし、自分に人生があるように、どんな人にも人生のドラマがあり、その背後にはどんな人にも魂の目的がある事を感じ始めた時から、人は新たな扉を探し始めます。そして、今までの知性とは別の能力が必要になると気づき、全ての人に対して、違った態度で接し始めるでしょう。
その時がいつ来るかはわかりませんが、望むなら、全ての人がいつでもチャンスを掴む事ができます。神が世界を維持し、人類が活動を続けている背後には、既に愛が働いているからです。私達は、子供が成長して親の愛に初めて気づくように、人類の中で、神の愛を発見し、理解し、自分もその愛を体現する人となるでしょう。