Planet and Ray
惑星と光線
惑星と光線 | 2018-12-28
火星 その① 「闘いの意味」
宇宙人と言えば「火星人」と想像するように、火星は地球にとって、とても身近な惑星です。何故なら、距離が近いだけでなく、地球では、月と同様、火星出身の魂が多く、火星を卒業した優秀な魂も、落第した魂も、両方とも生まれています。また、惑星同士の進化の三角形と言うものがあり、地球と火星は密接に関係しています。
では、火星とはどのような学校でしょうか。火星は、進化の等級が四つに分けられ、厳格に統率されていて、昇級する為、自分と闘う事を学ぶ学校です。その意味を想像するのに、火星の影響で作られた地球の制度を考えてみましょう。代表的なものは「軍隊」です。軍隊は階級が明確に分けられ、上からの命令は絶対的なピラミッド型の組織です。地球の軍隊は霊的な意味で階級が分かれているのではありませんが、別の意味で、進化に貢献している面があります。それは自己鍛錬、自己支配の訓練です。多くの若者が、規則正しい生活を送り、体を支配し、本能に打ち勝って目的に集中する事を訓練したり、技術の習得を通じて、自分を鍛える自己犠牲の基本を学びます。この点が、火星の学校と共通するところです。
火星は闘いを教えますが、その本当の意味は「自分に打ち勝つ意志」を獲得する事です。本能や欲望を支配し、より高いものに変換したら、等級が一つずつ上がります。しかし、闘う意味を誤解すると、地球では物質的な支配となり、紛争を巻き起こします。火星の等級は、地球のように、お金やコネ、恐怖支配、恫喝などでは上がれません。最近話題になっている強制的な権力で組織を私物化し、統率するやり方は、火星の方式を誤って解釈した結果です。
さて、火星と言えば、ギリシャ神話では、闘いの神マルスが象徴となっています。マルスは殺戮の残忍な神で、闘いを外に求めた物質的意識を代表しています。地球では、自爆テロ、民族同士の殺し合い、意味のない内紛、宗教的な集団自殺、支配権を争う闘い、そして古代の生贄となって表れています。これらは火星の真の支配を誤解した事から発生しました。現在は愛の時代ですから、このような誤りは、改革しなければなりません。結果ではなく、意識を重要視するようにならないと、支配と闘いの意味は永遠にわからないでしょう。
一方、ギリシャ神話で、火星を代表するもう一人の神は、アテネです。アテネは、闘い方を教える知恵の神です。闘う相手の性質をよく知り、様々な戦術を賢く教えます。アテネの知恵が象徴する意味は、闘う力を内的に向けて、知性に変えるエネルギーの昇華です。火星は、私達の第3チャクラに刺激を与えます。本能、欲望、感情をかきたて、赤々とした情熱の火をかきたてますが、その情熱を考える力に昇華させると、神はマルスからアテネに交代します。つまり、火星の真の役割は、本能を知性へと移行させる事なのです。
私達は時に、人に勝って支配し、君臨したいと言う欲望を持ちます。自己確立には必要な事かもしれませんが、大人になる時、闘う意味は変わるべきです。火星で最高等級に到った魂は、自分の欲望を殺し、意志を勝ち取った人で、他を倒して支配した人ではありません。生涯、強烈な負けず嫌いで、人と闘う事ばかり考えている人は、もしかして火星を卒業できなかったのかもしれません。でも、今生きているのは、地球です。闘いは、愛を学ぶ為に、自己支配に向けましょう。