Planet and Ray
惑星と光線
惑星と光線 | 2019-11-22
水星 その③ 「完全な黄色」
水星は、情緒的な要素が全く無い惑星で、この点が今の人類には少し理解しがたい特徴です。私達の知性は未発達な為、割り切った論理を主体にし過ぎると、傲慢で冷酷、誤った考えで迷いなく突き進み、大きな過ちを犯す可能性があります。それを止めているのは、同情や優しさなどの感情や感性の美徳です。
しかし水星レベルになると、宇宙的な法則を直観で理解するので、法則を完全に理解し、自然と真理に見合った事を考えるようになります。水星の象徴ヘルメスは、直観を使って、数学や音楽、天文学、占星術を授けた神です。これらの学問は普遍的な法則や美と関係しています。それぞれの学問は、互いに密接な関係があり、その関係を理解すると、水星的な知性とはどのようなものかが、想像できるかもしれません。
まず、水星は黄色の第4光線を伝達する惑星です。黄色は別名「芸術光線」と言い、霊と物質の完全バランスを表す色です。霊=生命が宇宙法則に沿って表現されるものを、人は美と感じます。しかし、私達は法則を理解し、物質を正しく扱う知性が未熟なので、真に美しい黄色を見た事がありません。芸術とは、感覚的に表現されるように思いますが、実は法則に則った緻密な計算が必要です。ですから真の芸術は、知的な能力と表現する技術によって創作されるのです。将来私達の知性が発達し、欲望を克服して純度が高くなれば、もっと高度にバランスが取れた表現ができるようになるでしょう。
さて、芸術の最たる部門=音楽は宇宙の天体から生まれました。太陽系には聖なる7つの惑星があり、7つの音階が鳴り響いています。全ての惑星は調和して太陽とバランスを取っています。これを天文学者のケプラーは、「宇宙はシンフォニーを奏でている」と表現したのです。私達自身も、人格の中では体、心、知性の音があり、調和して統一されていると、美しい和音を奏で、人もそれを感じます。人格の調和が取れ、魂と霊とも調和していれば、更に完全な和音となるでしょう。人間は小宇宙であり、どの人も何らかの音を発しています。法則的に調和が取れていない、方向が間違っていると、不協和音や毒々しい音になるのです。
また、太陽系の全ての存在は、エネルギーに換算できます。法則とエネルギーは、全て数式で表現できるので、数学は宇宙言語と考えられています。数学を駆使して宇宙を紐解く天文学は、最先端の高度な学問です。一方、占星学は、あらゆる存在をエネルギーの性質と法則で捉え、天体や光線の影響と関係を紐解く学問です。現在の天文学は、物質的な星だけの研究ですが、占星学は、宇宙の次元と法則を研究します。全次元を含む存在は、無数の歯車のように噛み合って関係し、互いに影響を与え合っています。占星学は、様々な次元を含む関係の科学であり、究極の理想を学ぶ学問です。将来、人の知性が飛躍的に進化した時、人類は物事の背後に見えないエネルギーが働いている事を掴み、必ず占星学を学びます。占星学は、個人的な運命を占うものではなく、宇宙と地球そして人類との関係を学ぶ学問として、知られるようになるでしょう。その時、私達自身が、水星となります。最初に、水星とは成熟し完成された人類であると説明しました。霊と物質の完全バランスの中で、将来、真の黄色がどれ程美しいものかを知る事になるでしょう。