Planet and Ray
惑星と光線
惑星と光線 | 2020-01-24
土星 その②「太陽系の質料の発達」
太陽系の進化で、重要な三角形があります。それは、天王星と海王星と土星です。これらの星は、知性、感性、質料の進化を代表している惑星です。土星の質料とは、太陽系の「材料」で、神が考えた通りの宇宙を表現する物質を表します。「物質」と言っても、神にとっては人間の魂でさえ物質なので、見えない精妙な次元を含みます。土星の働きは、カルマの法則が有名ですが、もう少し詳しく学んでみましょう。
地球人類は、魂のアイディアを表現する為に人格を使いますが、人格は土星が支配する材料でできています。私達の人格が洗練され、表現力に富んで優れたものになると、魂は理想に近い状態で、この世の活動ができる事になります。
密教的な勉強をすると、霊的な知識を重んじ、学習する事や考える事ばかりに傾きがちです。そうすると、現実から遊離したり、表現力や行動力、実際的な強さを軽んじる人がいますが、それは間違いです。魂の進化とは、結局優れた人格をつくる事に関係します。優れた人格を、地球にプレゼントする事に意味があるからです。そして太陽系で、そのように進化した質料を管理し、刈り取るのが土星の役割です。
では、優れた人格とは、どのようなものでしょうか。私達の人格は、体と心と頭で出来ています。魂から見て優れていると言う観点は、一般的に私達が思うものとは違います。例えば、優れた肉体とは、丈夫でがっちりしていて、運動ができて…などと思い勝ちですが、魂にとっては、魂の高い波動に耐えられる精妙な肉体が優れた体と言えます。魂の波動とは、高い理知性ですから、知的な活動に耐えられる、知的な電気的エネルギーに適応し活動できる、そのストレスに耐えて健康でいられる体です。例えば、優れたスポーツ選手が、その後の仕事で、知的な訓練や人間関係に適応できるとは限りません。
次に、優れた心とはどのようなものでしょうか。一つ目の要素は、幅広く波動を正確に映し出し、魂的な光とそうでないものを、識別する感性を持った心です。光の方向を知り、ひたすら向き続ける感性、欲望から距離を置く純度が、その土台となります。当然魂の特質である同情心や優しさと言った美徳も備わっているでしょう。また、その為には、二つ目の要素、静かで平らかな鏡のような状態を維持する必要があります。つまり、根性があり、燃え盛る心とは、違った概念です。
最後に、優れた知性とは、どのようなものでしょうか。勿論知的に高い理解力がある事は必須の条件です。加えて、その知性は心と体を統一し、人格を一つにまとめる意志が求められるでしょう。更に重要な事は、考えの動機が利己的ではなく、人類や地球の命の価値を理解し、包括的な愛に基づいた思想を理解する事です。知性が魂と接触するには、心と同様、平静で落ち着いた思考力が必要です。その接触は、やがて高邁な思想を生み出すでしょう。
これら三つは、土星の質料に関係しますが、実際は天王星(知性)と海王星(感性)の援助によって、進化します。それが最初に説明した三角形の進化に関係するのです。
私達は目の前の日常生活に夢中になり、宇宙との関係など考える事は少ないですが、人生の背後にある真実には、宇宙的な法則とエネルギーが関与しているのです。心の欲望を浄化し、考え方を改め、純度の高い肉体に作り変える作業、それは全ての人にとって、人生の目標です。だからこそ、土星は誰に対しても平等に働いているのです。土星は大変高度な星で、理解する事は難しいですが、自分に取り入れられる部分を学び、実践する事が大事でしょう。