Planet and Ray
惑星と光線
惑星と光線 | 2020-02-21
土星 その③「慈悲深い試験官」
海に深く潜ると、光も無く、音も聴こえない世界が広がります。その空間の中で耳を澄ますと、地球の音が聴こえると言った人がいます。素もぐり=フリーダイビングの元チャンピオン、ジャック・マイヨールは、海の中で響き渡る低いオームと言う音を聴いたそうです。真相はわかりませんが、神智学の知識から言うと、(海の中だけはなく)それは真実です。地球は、AUMと言う聖なる音を発し、地球の頭脳が計画した世界を、創造し続けています。今もAUMは鳴り響き続けているので、神の創造は続いていて、世界は維持されています
音は、考えた事を創造する手段です。神は、進化計画を表現する為、音を使って質料(各次元の材料)を動かし、考えを具現化します。ですから、存在するものは全て、何らかの振動を持っています。太陽系で言えば、各惑星には固有の音があり、太陽が全体を率いて統一しているので、宇宙は壮大なシンフォニーを奏でています。
そして、太陽系の全質料=材料を管理しているのは、土星です。土星は、無形の見えない世界と有形の見える世界を繋ぐ二重構造を持っています。宇宙には、数え切れない種類の素粒子があるように、宇宙の質料は、高い次元から低い次元まで、様々な物質が協力して、形態を作っています。その構造は、土星のフィルターを通るので、創られた動機、使った質料の構成は、全て明らかに記録されています。
人間も、小さな宇宙なので、土星と同じ方法で創造を行います。声はその最たる手段で、自分の意識を言葉で表現します。思っているだけ、考えているだけなら、まだ形にはなっていませんが、言葉に出してしまうと、決定的なものになります。誰でも、失言して後悔したり、一言発した事で、大変な事態になった経験はあるでしょう。言葉は、目に見えませんが、実際は声によって質料が動き、見えない世界に形が作られるので、影響力が大きいのです。
裁判や揉め事で、「言った、言わない」が問題になり、証明されなければ罪に問われないのが人間界の法ですが、霊的世界ではそうはいきません。私達は、一旦言葉に出したり、行動すると、土星が働くので、裁判のように誤魔化す事はできません。実際、私達は自分が創造したもので、自分が囲まれ、運命を作っているのです。
土星がカウントするのは、悪い事ばかりではありません。魂や地球にとっての進化に貢献する考えと行動は、善なるカルマを生み出します。善カルマは、良い縁を繋ぎ、その人と周囲が進化するように、運命をより良い方向へ導いていきます。ここで注意すべき事は、動機=考えが良くても、具体的に方法を選ぶ時、誤って不適切なものを選んでしまうと、せっかくの良い考えが、良い効果を生まない場合がある事です。方法とは、表現の仕方です。どんな分野で、誰と組み、何を使って表すか、これが土星の構造となるので、動機の意識と共に、注意深く選択をする必要があります。これは具体的に質料を扱う訓練となります。
正しい思想で、適切な材料を選び、正しいタイミングで表現する訓練を重ねていくと、人は様々な誤りを正していく事ができます。私達の考え方が発達し、表現方法も洗練されてくると、やがて土星の審判がいらなくなる時がやってくるでしょう。土星は個人にとっても、惑星にとっても、慈悲深い試験官なのです。