Planet and Ray
惑星と光線
惑星と光線 | 2020-07-24
海王星 その②「導きの救済」
海王星は、ギリシャ神話で、海の神=ポセイドンと呼ばれています。ポセイドンは、海のあらゆる生き物を創造しましたが、大地の女神=デメーテルに恋をし、その贈り物として馬を創造しました。ところが、ポセイドンは自分で創った馬が気に入ってどんどん増やし、馬に夢中になってしまった、と言うエピソードがあります。このお話は、海王星の働きが象徴的に表されています。
海王星は、「道を歩む決意」をした人を導く惑星です。大地の女神との恋は、何を表しているのでしょうか。大地の女神に会う為には、感覚の象徴である水から上がらなければいけません。この段階は、自分の知性を頼りに、自立して創造的な人生を歩み出した状態を示しています。更に、馬に乗る行為は、射手座で習ったように、自己支配の訓練を表します。つまり海王星は、魂に相応しい人となる為、自分を律し始めた人達を援助するのです。専門的に言うと、第二秘伝を受けた人々を導くのが、海王星です。
ポセイドンは、神でありながら、自ら創造した馬に夢中になってしまいます。これは、海王星の持つ第6光線の特徴です。第6光線は「理想と献身の光線」で、魂に至る理想を描く力を与えます。ところが、道を歩み出したばかりの私達は、欲望は浄化されておらず、知性も未熟です。当然、描く理想は、自分勝手で独りよがりの思い込みばかり、それが素晴らしく正しいと信じ、一心不乱に進んでしまいます。馬が夢中で走っている時は、誰も止める事ができず、馬耳東風、人の忠告も聞こえません。そうであっても、この情熱的な勢いで、人は自ら信じるものに突き進む力強さと、経験を身に付けるのです。
さて、ポセイドンは、馬をどんどん増やす事で、人間の情熱を育て、道を歩む人々を増やします。馬が気に入った大地の女神デメーテルは、ポセイドンの愛を受け入れます。海王星の力を受け入れる事で、地上の生命は繁栄するからです。訓練を受け、理想に向かって力強く活動する人間は、自然界を活性化し、地球の進化を助け、同胞である人間同士を導きます。
では、人はいつになったら、魂が望む正しい理想を描けるのでしょうか。慈悲深い海王星は、知的になろうと努力し、夢を描く人の感性を洗練させ、高めていきます。人は道を歩み出すと、苦闘が始まり、5~6回の転生をすると言われていますが、最後は必ず魂へと至ります。
海王星は大変慈悲深い惑星なので、進化に向かって苦闘している人、魂を求めている人、助けを必要としている人、準備ができた人を、必ず援助します。ポセイドンは、海の中では怪物のような奇妙な生き物を創造しました。それは、私達が感覚に溺れている時の夢、欲望が描く想念です。しかし、海から上がったポセイドンは、大地の女神が好むものを創ります。何度も創り変え、調整し直して、やがて真の魂の理想に至るでしょう。
道を歩み出すと、結局、周囲の人や自然界を助ける理想を描くようになるものです。その時、人は自分自身が海王星の役目を果たす人となったと気づくでしょう。海王星が、海から人々を救い上げたように、今度は自分がその役目を果たす人となるのです。魂とは何か、未熟な私達にはわかりにくいものですが、少なくとも周囲を思いやり、正しく援助しようとするなら、海王星の愛を引き付ける事でしょう。