Planet and Ray
惑星と光線
惑星と光線 | 2021-12-17
太陽「愛と支配」
人類の歴史が始まる以前から、太陽は存在しています。人類にとっては余りにも当然で、天文学者でもない限り、太陽について考える事はないかもしれません。しかし、太陽の役割を考える事で、学べる事は無限にあります。今回は、その特質の中から、「支配」について学んでみましょう。
皆さんは、イソップ物語を読んだ事がありますか。中でも「北風と太陽」はとても有名で、誰もが知っているお話です。これが紀元前五百年頃書かれたとは、驚きの寓話です。あらすじは次の通りです。北風が太陽に闘いを挑み、「通りかかった旅人のマントを脱がせたら勝ち」と言う取り決めになりました。北風は冷たい風を吹き付けてマントを脱がそうとしましたが、旅人は頑なにマントで身を守り、脱がす事はできません。一方、太陽が旅人に光を当てて温めると、旅人は熱くなり、すぐにマントを脱いで水浴びを始めた、と言うお話です。イソップは、当時の賢者であり、専門用語で言うとイニシエートだったと言われています。
太陽は太陽系の支配者です。太陽が無ければ、太陽系の全存在は、生きて存在する事はできません。絶対的な力を誇る太陽ですが、その支配の仕方は、私達が考える方法とは、イメージが違います。支配と言うと、強制的に力で言う事を聞かすと思いがちですが、太陽系の支配は「愛」が基調です。つまり、光を与えて、全ての存在から熱を引き出し、活動させ、良い特質を育てます。その為に、光を当てる存在に、太陽が必要であると理解させます。太陽の支配力は、太陽が愛し、そして対象からも求めさせ、そして互いに成長する為の「繋がる愛」なのです。
恐怖で制圧するのではなく、与える事によって太陽との関係を確たるものにする力、自ら求めさせる事で相手を引き上げる関係、それが愛です。太陽はこの力によって、太陽系の目的を達成し、全体の進化を統率するのです。地球の生命は、たとえ無意識であっても、太陽を求め、その光と熱によって生命を支えられています。太陽系においての支配とは、一方的な弾圧的力ではなく、双方の交流と進化の道を共に歩む愛が基本となっています。
人間における霊的太陽は、魂です。魂は私達に高い理知性と高度な生命力を与え、バラバラな人格の意識を、成長させ統率する力を持っています。私達は、太陽のような魂と繋がる事で、自分と周囲に与えるべき光と生命力を得る事ができます。そして、魂と繋がると、自分自身がやがて太陽となるのです。
私達は、自分に対しても人に対しても、言う事を聞かない、支配できない事に苛立ちますが、根本的に支配の仕方が間違っているのではないかと、考え直してみる必要があります。太陽が光を与えて温めるように、私達は、自分に対しても人に対しても、熱を引き出すような「良いもの」を与えているでしょうか。「支配」の意味を、一方的なものと考えていないでしょうか。太陽の支配が愛であるなら、私達もそう習うべきでしょう。
また、太陽は光を与え、各惑星から引き出したものを精査しています。進化に沿った正しい援助には、対象をよく観察し、知る必要があります。人は自分に対しても相手に対しても、理解しないまま、意見や欲求を押し付けて支配しようとしがちです。この方法は太陽の法則に合わないので、上手くいかないのは当然でしょう。偉大な支配者である太陽から、私達は正しい支配の仕方を学ぶべき時が来ています。太陽の偉大なる支配力は、愛が基調である事を理解しましょう。