Appearance the soul
魂の表れ
2017-01-29
時間を意識する
①時間と知性
皆さんは時間を気にする方ですか?人との待ち合わせや仕事、日常生活の中で、時間をきっちり守ろうと気にするタイプでしょうか?時間に厳しい日本社会、バスや電車が時間通りに発着するのは当然ですが、世界では珍しい国の一つです。他の国では、先進国であっても、待ち合わせで一時間の遅刻はそんなに珍しい事ではありません。その日のうちに来ればいいと言う国もあります。時間を意識できるのは、霊的に何か意味があるのでしょうか?
時間を守る特質は、①具体的メンタル体=物質を扱う知性が高度に発達している、②意志が強い、この二つを意味します。幼い頃、人間には時間の感覚がありません。ですから遊びに夢中になって時間を忘れ、親に叱られた事があるでしょう。そのうち、学校に行く時間、塾に行く時間、寝る時間、宿題を終わらせる期日など、次第に時間に追われるようになり、一日は24時間しかない事、生活は時間で区切られ、逆算しなければならない事もわかってきます。時間に追われる文明社会を書いた小説「パパラギ」や、時間泥棒から時間を取り戻す小説「モモ」などを読んでも、いかに私達が時間を意識しているかがわかります。
②魂の具現に必要とする力
「時間」とは、物質の変化を表すもので、人が現象の変化を認識する知性と関係しています。人間ほど時間を意識し、計算できる生命体はありません。動物や植物は、生きる為の本能で、四季や一日の時間を感じていますが、人間のように原子や天体の変化、歴史まで認識する事はありません。
時間認識は、物質界での変化の速度や周期を計算して、動きを合わせる高度な力です。例えば、電車の移動時間を計算して、目的地に何時に着くとか、体の老化を認識し、栄養や運動などを計算して生活習慣を改める、宇宙での観測衛星を軌道に乗せ打ち上げる計算など、様々な物質の速度の違いを計算し、それに沿って動かしたり、行動する力です。つまり、自分と環境を支配して、考えた結果を出す為に必要な力ので、意志と関係しているのです。何故それが必要なのでしょうか?それは魂がこの世で影響を与え、力を発揮する為なのです。
③時間を支配し、自由になる
しかし、魂の中にはこの世のような物質が無いので、時間はありません。魂に意識が向いている瞑想状態や思索状態、集中状態では、時間は感じられないのです。物質界にばかり意識が向いていると、私達は時間を支配するのではなく、追われる立場になり、現象界に埋没してしまいます。そこで、時間を意識する知性と、魂に向けて時間を忘れる知性、この相反する両方の知性が必要になるのです。
知性が未発達の子供や、感覚に意識を置いている人は、アストラル界に意識があるので、同様に時間感覚がありません。しかし大人になるにつれ、仕事や社会との関わりが始まると、時間厳守を訓練されます。これは、自分の個別の感覚から抜け出して、全体の動きやルールを優先する公的な犠牲心や、自分を支配する意志の訓練に通じるのです。
日本は時間厳守社会です。この習慣は立派な美徳なので、できない人は訓練する必要があります。しかし、時間に支配されたり、流されてはいけません。時間を守る事が意識の頂点になると、物質界だけに生きる事になってしまいます。時間を支配し、時間から離れる事ができる。この二つの知性を生活の中で働かせると、理想的なリズムが生まれるでしょう。