Appearance the soul
魂の表れ
2017-02-25
長期的な視野
①人生を眺めてみる
皆さんは、自分の人生を走馬灯のように見た経験はありますか?飛行機などの乱気流や、事故に遭って死にかけたりすると、たった数秒の短い間に、そんな情景を見る事があります。不思議にも、時間を越え、現象をただ離れて眺めている視点が現れるのです。勿論理論上は、そんな短い間に長い人生のドラマを見る事は不可能です。しかし、人間には時間を越え、そのように見る能力があります。この能力こそ、魂の視点なのです。
危機的な時に起こる不思議な現象でなくても、長く人生を生きたり、病気になって人生を振り返ると、特別で大変だった経験も、生涯と言う全体の一部だったと見るようになるでしょう。色々あったけど、一体人生の価値、一番大切なものって何だろう?そんな事を考える人が増えています。人生のドラマをじっと見続ける視点、これが魂の観点です。この視点がないと、背後にある重要な意味や価値を掴む事はできません。「全体を一つとしてみる視点」、物事を「長期的に見る視野」は、現象界を観照する偉大な魂の視点なのです。
②結果より精神が大事
人は目の前にある事に対処する短期決戦は得意です。日常は物、人、現象に密着して行動する事が殆どです。この時は、何も考えず反射的に動くか、考えたとしても、とても短い時間の場面に対処するだけなので、過去や未来との関係を配慮せずに行動しがちです。その為、時間が経つと、その対処が失敗だったり、不十分だとわかるのです。
最近では経済、政治、会社の戦略でも「長期的な展望」が求められるようになりました。長期的展望には長い年月のプロセスを、一つの塊として見なければいけません。その背後には、時間をかけて達成すべき大きな目標があります。何故このような視点が、魂的な見方の条件となるのでしょうか?
魂の視点とは、結果ではなく、現象と経験を通して、精神がどう変化したか、魂の美徳(意識)をどれだけ表そうとしたか?を見るものです。だからこそ、一つ一つの結果や、何をするかに逐一口出しはしません。どんな精神が育ったかを見極めているので、長期間かけなければ、わからないものなのです。
③美徳を育てる
私達はどんな人でも、魂の計画と目標が決まって、生まれてきています。覚えていないかもしれませんが、人はある程度の人生の流れを決めて、その目標と計画が実行し易い国、民族、家族や環境を選んで出てきます。そして魂は、人格を見つめながら、その方向に行き易いよう、縁を結ぶ仕事をしています。
魂の目標は、人生経験の成功や失敗を通じて、「知性や意志を高める」「忍耐力を養う」「愛を深める」「怠惰を克服する」など、抽象的な意味が主体です。その為なら、多少職業が違っても、場所が変わっても、結果が思うようにならなくても、困難に出会っても、意識の方向がぶれていなければ良いわけです。
生涯、長期に渡って流れている魂の価値観、これを発見する為には、長期的な見方、人生を一つにまとめて見る視点がとても大切です。人生設計でも、社会でも、仕事でも、長期的な展望が求められるようになった現代で、私達はその訓練をしているのです。
忙しい毎日、激動の人生、この背後で何が起こっているのか、自分を離れて見る視点、思い出して下さい。その視点が教えてくれるものがあるはずです。意外な発見があるかもしれません。