Appearance the soul
魂の表れ
2017-04-28
観察する
①自意識は観察の土台
最近の調査で、野生のゴリラが夕日や蟻の行列を40分も眺めている事が確認されました。捕食や生命の危険、生殖に関係なく、動物が何かを観察するような行動を取る事は珍しい事です。そのような動物には、道具を使ったり、学習するなど、高い知能の発達があります。
その中でも、人間は際立った観察力を持つ生命体です。地球の隅々から宇宙の果てまで、人、物、現象を観察します。人間の観察力とは、どこからやってきたのでしょうか?それは、魂が地上で活動する人格をじっと見つめているからです。観察は魂の特質なので、私達は同じように、同胞と世界を観察する、つまり、観察は魂の表れなのです。
意外な事に、観察は「自分を認識する」事から、本格的に始まります。観察は観察者と対象があって成り立ちます。観察する自分は、自意識が明確になると、自分でないものを沢山認識でき、観察が広がるのです。ですから、自意識が不明確で記憶力が弱い知性では、余り観察はできません。動物が観察する時は、自分を守る為に周囲の危険を察知する本能が基本です。しかし人間は、必ずしも自己保存為の為にだけ観察する訳ではありません。魂は観察した結果から、物質界に光を伝達しますが、その通路になるのが人格です。自意識ある人格が、魂の眼の役割をするのです。
②自分を観察する
人には知的好奇心があります。これは第2光線の働きで、多くの人や物、現象の情報を集め、物事を広く知的に理解します。最初は自分勝手な好奇心と利己的な目的で、興味のあるもの、魅力を感じるもの、必要なものを観察します。動機は自分の為ですが、色々な事を観察し理解するにつれ、知性は広く知る事に喜びを感じるようになります。そして、環境を正しく認識し、状況に合った行動が取れるようになると、自信を持ち、成長していきます。これは環境に対する認識と適応力の訓練になり、やがては自分と周囲を支配する土台となるのです。
さて、観察の対象は、外に広がる物質的な環境だけではありません。人は自分自身も観察する力があります。自分はどう言う人間か、どんな特質や傾向意識があるか、また人にどう思われ、どんな影響を与えているのか…。自分を客観的に観察する事は、嬉しい発見もありますが、認めたくない事も多く、大変難しいテーマです。しかし、他人を見るように、自分を客観的に観察し、認識する事ができると、知性は飛躍的に進化します。
この力は発展すると、やがて人には魂がある事を発見する力に広がっていきます。自分も人も同じように観察する、世界を広く観察する…。一体自分とは、どこからやってきたのか?観察の情報が、考える土台となると、やがて私達は、背後に何か偉大な力が働いている事を感じ取ったり、推理したりするようになるでしょう。
③正しい観察と魂の発見
地球を宇宙から眺める、広大な自然を眺める、多くの人の生活を眺める、反対に小さな世界の細胞や原子の世界を観察する…。科学者を始め、何かを観察する人々は、この時代大いなる生命の働きを直観的に知る事になるでしょう。観察とは、考える土台であり、背後に働いている法則や、神の意図、共通する魂を発見する道に通じるのです。
観察は、自意識が始まりです。ですから、どうしても自分本位の感情、感覚、欲望、考えが入ってしまい、ありのままを見る事が難しいものです。正しくする為には、感情や自分固有の考えを知り、それを切り離す必要があります。その訓練は、人間関係の中で始まります。人の中に入り、目的や責任、役割を持って行動する自分を観察しましょう。自分を良く知る人は、結局人の事も良く理解できる人となるのです。